表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
5月9日
3802/4820

審判

「すでに紗耶香の能力も把握済みだとは思うけどね。一応、説明はしておくよ。」



妹さんの紹介が終わったことで、

次にウィッチクイーンである長野紗耶香さんに関しても説明してくれるようでした。



「紗耶香の特性は審判だ。」



…審判?



「あらゆる存在に対して正と負を運命づける能力だと思ってもらえれば分かりやすいかな?」



…正と負?


…どういうことでしょうか?



「正義には救いの手を差し延べるけれど、悪には断罪の裁きを与えると考えれば良いかもね。」



…ああ、なるほど。



「だからこそ紗耶香は御堂君のジャッジメントを使うことも出来るんだ。魔術の発動に必要な能力はほぼ同じなんだからね。」



…と言うことは?



「最も簡単に説明するなら、支配特性を進化させた能力だと思ってもらえば良いよ。」



…やっぱり、そういうことですか。



竜崎さんの説明によると。


長野紗耶香さんの能力は御堂先輩の支配特性を向上させたもののようです。



なので。



長野紗耶香さんの能力は単純な支配だけではなくて、

あらゆる存在に対して存続と滅亡を決める力があるのかもしれません。



…だとすると。



あらゆる魔術を掻き消すことも出来るのではないでしょうか?



魔術を破壊する御堂先輩とは少し違うのかもしれませんが。


魔術を消失させる能力そのものはあるのかもしれません。



…それに、魔力の総量も桁違いですよね。



私や総魔さんを例外とすれば、

おそらく長野紗耶香さんがもっとも強大な魔力を持っていると思います。



そしてもしも現状で竜崎さん達の魔力が上限に達しているとすると。


長野紗耶香さんは竜崎さんと雪さんの二人の魔力を足したよりも大きな魔力を持っているように感じました。



…間違いなく魔女の女王ですね。



魔力の総量や魔術の威力。


戦闘の能力や状況判断能力等。


あらゆる戦闘面において長野紗耶香さんは突出した才能を持っていると思います。



…私から見れば、とてもすごい人なんですけど。



それでも総魔さんの前ではさすがの長野さんも普段の行動からは想像も出来ないほど極度の緊張を感じているように見えてしまいました。



…長野さんほどの人でも総魔さんには強気には出られないんですね。



普段は強気な態度で相手を制する長野紗耶香さんでさえ、

総魔さんの前では恐怖を抑えるだけで精一杯のように見えるんです。



…怖いのかな?



私としては総魔さんを恐れる必要はないと思うのですが。


それでも現時点ではお互いに敵対関係にあるので自然と緊張してしまうのかも知れません。



…女王の名を冠するほどの人でも恐れるんですね。



ピリピリとした空気を放つ長野さんからは緊迫した雰囲気しか感じられません。



見た目は米倉理事長以上のとても素敵な女性に思えるのですが、

緊張している表情を見ているとどうしても殺気のような重苦しい気配を感じてしまうんです。



…交渉が決裂した瞬間に、総魔さんに対して攻撃を仕掛けるつもりなのでしょうか?



そうとしか思えないほどの張り詰めた空気を感じます。


まるで自分が犠牲になってでも、

竜崎さん兄妹を守ろうとする確かな気迫がヒシヒシと感じられました。



…そんなふうに命を懸けなければいけないほどなのですね。



それほど総魔さんは危険な存在として判断されているようです。



…こちらから敵対を警告した以上は当然かもしれませんけど。



総魔さんの一言によって、

長野さんは命懸けの戦闘を覚悟しているようでした。



…これからどうなってしまうのでしょうか?



もしも戦闘になったとしても総魔さんが負ける可能性なんて絶対に考えられませんが、

恩のある人達に対して攻撃を仕掛けるのはとても心苦しいです。


出来ることなら争いを避けたいと願います。



…できれば穏便に。



祈りを込めて静かに話を聞く中で、

それぞれの紹介を終えた竜崎さんがついに総魔さんとの交渉を開始するようでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ