一日の行動範囲
全ての準備が整ったことで、
ようやく御堂さんのためのお祝いが始まりました。
…これだけ集まると、やっぱり賑やかだよね。
千夏さんはまだ目覚めていませんけど。
それでも9人いると十分すぎるほど賑やかです。
その中でも特に一番元気なのが里沙さんなのですが。
長野さんや由香里さんも明るい性格の方なので、
常に話題が尽きることがなくてとても楽しい雰囲気が室内に広がっていました。
…お祝いって言っても。
特別な何かがあるわけではないのですが。
それでもこうして集まれることがとても素敵だと思います。
…こうしてみんなが集まれるだけですごく楽しいよね♪
学園に所属していない私は、
なかなかみんなに会える機会がありません。
一日の行動範囲のほとんどがお家か商店街だけなので、
こういう機会をいただけるだけでもすごく嬉しいですし、すごく楽しいです。
なので。
今の幸せな気持ちを里沙さんに伝えることにました。
「今日は誘っていただいてありがとうございました♪」
「ん?あ~、良いの良いの。別にお礼を言われるほどのことじゃないしね。」
…いえいえ。
「そんなことないですよ~。」
「そう?でもまあ、私達にしても成美ちゃんがどうしてるのかな~?って気にしてた部分があったから、特別なことは何もしてあげられないけど、せめてこういう機会くらいは用意したいなって思って開催しただけだしね。そんなに気を使わなくていいわよ。」
…あっ、はい。
「ありがとうございます。それでも誘っていただけてすごく嬉しいです♪」
「あははっ。そう言ってもらえると私も嬉しいわ。まあ、次にいつこういう機会が用意できるか分からないけど、何かあったらまた適当な理由をつけて成美ちゃんに声をかけるから、時間があったら遊びに来てね。」
「は、はいっ!」
喜んで参加させていただきます。
「ふふっ。それじゃあ思いっきり楽しんでいってね。」
「はい♪」
ちゃんとお礼を言えたので、
ここからは私も純粋にお祝いに参加させていただこうと思います。
…せっかくだから、もう一度みんなに挨拶をしておこうかな。
残り僅かな時間を無駄にしないために、
しっかり挨拶をしておくことにしました。




