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今日の私の目的は
「ねえ、成美ちゃん。」
意識を失っている千夏さんを特風会にまで運び終えたあとに歩み寄ってきてくれた美春さんは、
お部屋の隅っこに置いてある二つの箱を指差しながら話し掛けてくれました。
「せっかく持ってきたプレゼントを御堂君にあげたら?」
…あっ!
「はい!そうですね。」
幸せと恥ずかしさのせいでまたまた忘れていましたけど。
今日の私の目的は御堂さんにケーキを食べていただくことでした。
「すぐに用意しますねっ。」
少し慌てながら御堂さんから離れた私は、
急いでケーキの箱を手にとってから御堂さんの傍まで駆け戻りました。




