可愛らしさが
「おはようございますっ♪」
「ふふっ。相変わらず元気そうで何よりね~。」
改めて挨拶をしてみると、
一番近くにいた里沙さんが近付いてきてくれました。
「この間の約束を守ろうと思って声をかけたんだけど。大丈夫だった?」
「あ、はいっ!私は大丈夫ですよ。誘っていただいてありがとうございます。」
「そう?迷惑じゃなかったならそれで良いんだけどね。だけど、それよりも…。」
…?
挨拶を終えた里沙さんは何度も何度も私の服装を眺めてから楽しそうに微笑んでいました。
「今日はものすごく気合いの入った服装よね。御堂君のために用意したの?」
…えっ?
「あ、いえ…。御堂さんがどうこうじゃなくて、お母さんが着て行きなさいって用意してくれたんです。」
「へぇ~。だけどそれにしても良く似合ってるわね~。まるで沙織みたいで、成美ちゃんの可愛らしさが3割くらい上昇してるんじゃない?」
「そ、そうですか…?」
「うんうん。これならどんな男も微笑むだけで落とせそうね。」
「…落とす?」
「あ~。まあ、成美ちゃんならそんなことはしないかしらね?」
…え~っと。
…どういう意味でしょうか?
よく分からないのですが。
「お馬鹿な会話はそのくらいにしておきなさい。成美ちゃんが困ってるわよ。」
どうすれば良いのか分からなくて悩んでいると、
百花さんが間に入ってくれました。
「里沙の言うことなんて一々気にしなくて良いからね。」
…は、はぁ。
気にしなくて良いと言われても、
それはそれでまた困ってしまいます。
…どうすれば良いのかな?
結局私はこの状況でどうすれば良いのでしょうか?
…とりあえず、挨拶かな?
改めて挨拶をやり直そうかと考えていると、
百花さんから話し掛けてくれました。
「まあ、里沙はともかくとして。噂で話は聞いてるんだけど、義妹がお世話になってるみたいね。」
…え?
…あ、いえ。
「お世話になってるのは私だと思います。いつも霧華ちゃんには助けてもらってばかりいるので…。」
お家に送ってもらったり。
襲われているところを助けてもらったり。
霧華ちゃんにはすごく助けてもらってます。
「霧華ちゃんにはすごく感謝していますので、お世話になっているのは私だと思います。」
一人では何も出来ない私に安らぎをくれるのは霧華ちゃんです。
霧華ちゃんがいてくれるから毎日を楽しい気持ちで過ごせるんです。
「霧華ちゃんにはすごく感謝してます♪」
「へぇ。不思議ね…。」
…不思議?
何が不思議なのでしょうか?
私としては正直な気持ちを伝えてみたのですが、
何故か百花さんは首をかしげながら私を見つめていました。




