過言じゃない
…鞄とお財布を持ったし。
…これでもう忘れ物はないよね。
お部屋に戻ってからすぐに鞄とお財布を用意して、
急いで1階に下りることにしました。
「お母さん、準備できたよ~♪」
「あらあら、早かったわね。」
「うん!」
「ふふっ。」
お母さんに声をかけると、
食卓でケーキの準備をしてくれているようでした。
「ケーキも準備できてるわよ。」
「ありがとう、お母さん♪」
それと。
もちろんお父さんへの感謝も忘れません。
「お父さんもありがとう♪」
「ははっ、どういたしまして。」
しっかりお礼を言って微笑むと、
お父さんも笑ってくれました。
「うんうん。新しい服も良く似合ってるんじゃないか?今の成美ならジェノスで一番可愛いと言っても過言じゃないと父さんは思うぞ。」
…え~?
「それは絶対に言い過ぎだよ~。」
「ははははっ!まあ、娘の可愛さは父親にとって自慢の一つだからな。言い過ぎなくらいが丁度良いんだ。」
…う~ん。
…そういうものなのかな~?
「丁度良いかどうかは知らないけど、お父さんはもうお仕事に行くの?」
「ん?ああ、そろそろ時間だからな。買い出しに行ってからそのままお店に向かうつもりだ。」
…そっか~。
「それじゃあ、お見送りするね。」
「おお、ありがとう。」
「うん。」
…って、あれ?
お仕事に向かうお父さんを玄関までお見送りしようとしたのですが、
その前に玄関から『コンコン』と扉を叩く音が聞こえてきました。




