そう言えば、さっき
…やっぱり霧華ちゃんと一緒だと楽しいな~♪
霧華ちゃんと二人で歩き始めてからすでに20分ほどが過ぎたでしょうか?
「そう言えば、さっき聞いたんだけど…。」
お家に向かう道中で、
霧華ちゃんから話し掛けてくれました。
「明日の朝に学園で何かがあるらしいわね。」
「え?そうなの?」
学園に関して私は何も分かりません。
「何があるの?」
「さあ?詳しいことは知らないけど。お父さんが聞いた話だと、御堂龍馬っていう人がグランバニアから魔導学園に帰ってくるみたいで、ちょっとしたお祝いをするみたいよ。」
「お祝い?」
「…らしいわね。まあ、情報源がお姉ちゃんだから間違いないとは思うわ。」
…お姉ちゃん?
…と言うことは?
百花さんが喫茶店に来ていたということでしょうか?
…だからかな?
だから霧華ちゃんは姿を隠して喫茶店にいなかったのかもしれません。
…私が喫茶店の前を通り掛かった時にはもう百花さんはいなかったはずだから。
入れ違いだったんだと思います。
丁度、百花さんが帰った後に私が通り掛かって。
その後に霧華ちゃんが喫茶店に帰ったんだと思います。
「百花さんに会いたくなくて隠れてたんだね~。」
「は、はぁっ!?そんなわけないでしょ!!勝手に決めるな!!」
…あ~うん。
…そうだね。
ついつい本当のことを言ってしまいました。
…気をつけないとダメだよね。
あまり本当のことを言うと霧華ちゃんが怒ってしまいます。
「ごめんね。」
「…ったく、これだからお馬鹿はすぐに調子に乗るから鬱陶しいのよ。」
「えへへ~。ごめんね。」
「…まあ、良いわ。とりあえずはそういう事情でお姉ちゃんがお店で買い物をして帰ったから明日はお祝いをするんじゃない?」
…ふ~ん。
…そうなんだ~?
私の失言をあっさりと聞き流してくれた霧華ちゃんは、
ひとまずお話の続きを聞かせてくれるようでした。




