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そうでもなさそうな
「何だか変な感じね。百花から聞いてた話だと、もっとひねくれた子だと思っていたんだけど。こうして見てるとそうでもなさそうな感じよね。」
大人しくしている霧華ちゃんを眺めていた由香里さんは、
もう一度私と向き合ってから優しく微笑んでくれました。
「とりあえず二人のおかげで仕事が終わったし。後始末は私がしておくから自由にしてくれて良いわよ。」
…あ。
「もうここにいなくても良いんですか?」
「ええ、もうお迎えも来たしね。」
…お迎え?
…って、そうか。
…風紀委員の人達だよね?
大通りの北側に視線を向けた由香里さんにつられて私も視線を向けてみると、
学園の制服を着た学生さん達がすぐ近くまできていました。
「脱走男子の捕獲をよろしく~。」
「「「「「はいっ!!」」」」」
由香里さんの指示を受けてからすぐに3人の男の人達を回収した風紀委員のみなさんは、
そのまま学園に帰って行ったようでした。




