さすがにこの歳で
「まあ、折角ついでに成美ちゃんが使えそうな物があったら色々と集めておいてあげるわね。」
「い、良いんですか?」
「ええ、良いのよ。ここに置いておいても仕方がないでしょう?成美ちゃんが使ってくれるのならまだ価値はあるけど、さすがにこの歳で娘の服は着れないわ。」
…ですよね。
苦笑いを浮かべるお母さんにつられて私も苦笑してしまいました。
「また今度来てくれる時までに色々と使えそうなモノを用意しておいてあげるわね。」
「あ、はい。ありがとうございますっ♪」
翔子さんのモノを頂けるのならいつでも喜んで来ます。
「それじゃあ、とりあえず12000fは払っておくわね。」
「はい。」
お母さんは自分のお財布からお金を取り出して手渡してくれました。
「財布ごとなくさないように気をつけてね。」
「大丈夫です♪翔子さんのお財布は何があってもなくしません!」
私の命よりも大切なお財布です。
「ありがとうございます。」
「ふふっ。良いのよ。それよりも遅くならないうちにお店に戻った方がいいわ。」
…あ、そうだった。
お母さんに言われて時計を見てみると、
ここに来てからすでに30分近く経っていました。
…もうすぐ4時。
「お父さんとお母さんが心配してるかも…。」
あまり遅くなると心配をかけてしまうので急いで帰るべきだと思います。
「そろそろ帰ります。」
「ええ、そうね。玄関まで見送るから気をつけて帰ってね。」
「はい!大丈夫ですっ♪ちゃんと帰りますから。」
そして出来る限り急いで帰ろうと思います。
「お邪魔しました~。」
「ふふっ。またきてね。」
「はいっ♪必ず来ます。」
お母さんと約束をしてから、
翔子さんのお家を出てお店に向かって急ぐことにしました。




