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THE WORLD  作者: SEASONS
5月4日
3609/4820

今までで一番高いよ~

「ああ、そうそう。すっかり忘れていたわ。」



…え?



お母さんと二人でのんびりとした時間を過ごす中で、

不意にお母さんが話しかけてきました。



「まだ花束の代金を払ってなかったわね。」



…あっ!



確かにまだもらっていませんでした。



「私も忘れてました。」


「あらあら、思い出せて良かったわね。」


「そ、そうですね…。」



もしもこのまま帰っていたら、

お店で待っているお父さんとお母さんを困らせてしまうところでした。



「すみません…。」


「ふふっ。謝らなくていいのよ。それよりもお花の代金がいくらか分かる?」


「あっ、はい。それなら分かります。」



お店でお母さんに貰ったメモに金額が書いてあるはずです。



「え~っと。花束のお金は…」



12000fと書いてありました。



…い、今までで一番高いよ~?



1万を超えたのは今回が初めてです。



「え、えっと~。12000って書いてあるんですけど…。」


「あら?思ったよりも安いわね。」


「そ、そうなんですか?」


「ええ、お祝い用に豪華にお願いしますって頼んでいたからもっと高いと思っていたんだけど。そのくらいならまだ安いほうよ。」



…あう。


…安いのかな?



昨日の私のお給料が5000fだったので、

私がこの花束を買おうとすると3日は働かないと買えません。



「12000fって他の物で例えると何が買えるんですか?」


「12000で?そうね~。一週間くらいの食費にはなるかしら?服を買おうと思うと3、4着くらいは買えると思うけど…それがどうかしたの?」


「あ、いえ…。あまりお金の価値が分からないので、高いのか安いのかも分からなくて…」


「ああ、なるほどね。まあ一言で言えば高いでしょうね。普通の生活で言えば12000fの出費は家計に影響が出ると思うわ。」


「そ、そんなに高いんですかっ?」


「…まあ、影響が出ると言っても生活が苦しくなるとかそういうことはないでしょうけど。おこずかいが減る程度の我慢は必要かしらね。」


「おこずかい…ですか…。」



そもそも私はおこずかいをもらっていませんので、

おこずかいの価値も分かりません。



「お金は良く分かりません。」


「ふふっ。まあ無理に知る必要はないと思うけど。知らないと将来苦労するかもしれないわね。」



…あぅぅ~。



それは困ります。



「頑張って覚えます…。」


「ふふっ。そのほうがいいわね。」



ちょっぴり落ち込んでしまった私に微笑んでから、

今度はお母さんから質問をしてくれました。


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