懐かしいな~
お店を出てから30分くらいで翔子さんのお家にたどり着けました。
…ちゃんと来れたよ~。
お母さんに貰った地図のおかげでもありますが、
御堂さんと一緒に歩いたことのある道だったので運よく迷子にならずにすみました。
…懐かしいな~。
他の場所はともかく、
ここだけは絶対に忘れません。
翔子さんのお家だけは一生忘れない自信があります。
…でもでも、ちょっぴり緊張するかも。
前回ここへ来た時には翔子さんのお母さんがいたのですが、
今日もお家にいるのでしょうか?
…お花の配達を頼んでるから留守ということはないと思うけど。
確認してみないと分かりません。
「とりあえず行ってみようかな?」
お家の前で悩んでいても配達は出来ません。
…はぅぅ~。
…緊張するよ~。
心臓がドクドクと加速してきて、
何故か手まで震えてきました。
…き、緊張しすぎかな?
分かっていても手の震えは止まりません。
「はぅぅ~。」
緊張しすぎて最初に何を話せば良いのかも分からなくなってきました。
「えっと。まずはお仕事だよね…?」
お花の配達を終えてからお話が出来れば良いのですが、
上手くお話が出来る自信なんてありません。
…ど、どうしようかな?
どんどんと高まっていく緊張を抑えるために、
何度も何度も深呼吸をしてから玄関の扉をノックすることにしました。




