3602/4820
諦めないからね♪
「ねえねえ!霧華さん♪霧華さん♪」
「は?何よ…。まだ私に用があるの?」
「ん~。用はないけど、ちゃんと挨拶してから帰ろうかなって思っただけだよっ♪」
「………。………。………。…もう帰るの?」
「うんっ♪まだお仕事の途中だから、急いで帰らないとお父さんとお母さんが心配すると思うから。」
「ふ~ん。あっそう…。」
私が帰ると言った瞬間に、
霧華さんの表情は不機嫌で一杯になってしまいました。
「もしかして淋しいの?」
「はあっ!?誰が淋しいっていうのよ!?あんたみたいなお馬鹿はいないほうがせいせいするからさっさと帰りなさいっ!!」
「…あ、あは…はは…っ。」
思いっきり火に油を注いでしまいました。
…質問をするのも大変だよね。
まだまだ霧華さんとお話をするのは難しいので、
『お友達大作戦』はまた今度頑張りたいと思います。
「それじゃあ今日は帰るね~♪」
「………。」
また黙り込んでしまった霧華さんに小さく手を振りました。
「でもでも、お友達になってくれるまで諦めないからね♪」
「………。」
精一杯の笑顔で宣戦布告をしてから、
霧華さんと別れてお店の外に出ることにしました。




