そろそろ次に
《サイド:深海優奈》
はふぅ~。
何とか無事に終わりました。
試合を終えたことで、すぐに皆の所へ戻ります。
現在の生徒番号は20004番です。
正直今でも信じられない気分なのですが、
それでもこの番号が現実であって事実なんだと実感してしまいます。
今までなら自分の力が何か分からずに怯えていただけなのに。
それなのに今は自分の力を知ったことで、
これまで悩んでいたことが嘘のようにすっきりとした気分に思えます。
『魔術の吸収』
それが私の力のようです。
まだまだ魔術師としては初心者の私ですが、
それでも十分に戦えることは分かりました。
反則…と言うか。
ちょっぴり卑怯な気もしますが。
それでもこれが私の力なんです。
相手の魔術を全て無効化して自分の力に変える。
そして何の影響も受けない私は一方的に攻撃できる。
そう考えるとやっぱり卑怯な力だと思う気はしますね…。
ただ。
それでも魔術の余波とも言うべき衝撃や、
物理的に殴られるようなことは防ぎようがありません。
ですが。
試合場内限定では無敵の力だと言えるのかもしれません。
「おめでと、優奈!やっぱり優奈はやれば出来る子ね!」
試合を終えて帰ってきた私を、悠理ちゃんは笑顔で迎えてくれました。
「ありがとう。悠理ちゃん」
私の勝利を喜んでくれる悠理ちゃんが嬉しくて、自然と笑顔になってしまいます。
「すごいね。おめでとう」
「良い試合だったと思うわよ」
御堂先輩と美袋先輩も喜んでくれているようです。
そして…。
「良く頑張ったな」
総魔さんにも褒めてもらえたことがすごく嬉しく思えました。
「ありがとうございます」
みんなに褒められたことで嬉しくて、私はみんなに感謝しました。
今までこんなふうに褒めてもらった経験があまりないので、
なんだかちょっとだけ恥ずかしかったからです。
「それじゃあ、そろそろ次に行かない?」
美袋先輩が総魔さんに視線を向けています。
私の試合が終わったことで、
次に総魔さんの試合が見てみたいようですね。
美袋先輩の視線の意味を感じ取ったのか、総魔さんは小さく頷いていました。
「そうだな。一度、受付に行ってくる。適当に待っていてくれ」
総魔さんは一人で受付に向かって行きました。
全員で移動しても良いとは思うのですが、
混雑している受付に戻るよりも、
大人しく会場で待っている方が早いのかもしれません。
他のみんなもそう思っているのでしょうか?
誰も総魔さんの後を追うことはしませんでした。
なので総魔さんが戻って来るまでのしばらくの間。
みんなでのんびりと試合の話をしながら、
時間を潰して待つことになりました。




