危機感
《サイド:美袋翔子》
むっ!?
むむむむむむっ……!!!!!
どうしてかは分からないけど、
何故かとてつもなく嫌な予感がしたわっ!!
考えすぎだって思いたいけど。
だけどね。
私の直感が『危険』を訴えてるのよっ!
気に入らないけど間違いなく断言出来るわ。
優奈ちゃんと向き合ってた総魔が、
ほんの少しだけだったけど微笑んでいたのを見逃さなかったからよ。
その瞬間を見ちゃったのよっ!!
今まで総魔の笑顔を何度も見てきたからこそ断言出来るっ!
あの笑顔はね。
私や龍馬と同じ程度に、
あの子にも心を開いている証なのよっ!!
私でさえ何日もかかってようやく見れた総魔の笑顔なのに。
それなのにあの子は…
優奈ちゃんは会って間もないのに、
もう総魔の心に入りつつあるってことになるわ!!
くぅぅぅぅ~。
まずいっ!!!
非常にまずいっ!!
何だかとてつもなく嫌な予感がするのよ!
焦りと不安が心の中を渦巻く感じね。
不安そうな表情を浮かべていても、
優奈ちゃんの可愛さは全くと言って良いほど損なわれていないし。
むしろそういう仕種さえも可愛らしく見えるかも。
見た目だけで言えば、間違いなく美少女だと思うわ。
性格は大人しいと言うか控え目と言うか。
真面目そうな感じに見えるけれど。
実際のところどうなのかなんて今はまだ判断出来ないわ。
でもね?
可愛さ基準なら私も負けちゃうかも。
そんな優奈ちゃんなのよ。
ただただ不安だけが込み上げて来るわ…。
だから私の直感がただただひたすらに訴え続けているのよ。
この子はとても危険な存在だってね。
総魔と同じ力を持ってる女の子なのよ。
それだけでも私の心を脅かすに値する存在だと思うわ。
そして。
そんなふうに思ってしまったことで、嫌な汗が私の頬を流れ落ちていく。
直感的に感じる危機。
これはもう間違いないって断言出来るわね!
この子は…
優奈ちゃんは必ず私の障害になる存在なのよっ!
認めたくはないけれど。
そうなって欲しくはないって思うけれど。
だけど…
総魔を巡る恋のライバルになるでしょうねっ!!!




