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THE WORLD  作者: SEASONS
4月6日
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募る焦り

《サイド:御堂龍馬》


ふう…。


どうも場に馴染めない感じがしてしまうね。


席についてからしばらくの間はまだ良かったんだ。


皆それぞれに食事をとりながら気楽に話を交えていたからね。


ゆっくりとした時間が流れていたと思う。


だけど刻一刻と時間が過ぎるほどに焦りが募ってしまうんだ。


特に何かあったわけじゃないけれど。


彼がこの場にいるからね。


どうしても緊張してしまうんだ。


それにこう言う言い方をすると失礼かもしれないけどね。


彼の行動から予想するなら、

こうしてみんなと集まってもあまり会話が出来ないんじゃないかなって思っていたんだ。


だけどまあ、それ程心配する必要はないのかもしれない。


常に笑顔を振り撒いて明るく振る舞う翔子の影響かもしれないけれど。


彼もある程度は会話に参加する姿勢を見せていたと思うからだ。


まあ、これが僕と二人きりなら会話が続かないかもしれないけどね。


そう思うと同時に、彼に心を開かせることに成功している翔子が凄いと思う。


沙織にしても、いつもと変わらない様子で彼と接していると思うしね。


あまり変に構えずに自然と話し掛けたほうが良いのかもしれない。


だけど…。


彼に視線を向けるだけでも緊張してしまう自分がいるんだ。


恐怖とかそういうことではないけれど。


妙に意識してしまうんだ。


僕よりも圧倒的に強い人物だからね。


力関係とかそういうこと以上に、

今は彼に見放されることが何よりも辛いと思う。


彼と対等でありたいと願う気持ちと、

彼を尊敬する気持ちが入り混じって変に緊張してしまうんだ。


だからかな?


少しでも時間を稼げるようにと考えて、いつもより大きめの定食を選んできたけど。


正直に言って味を楽しめる余裕はなかった。


何とか彼と会話をするきっかけを掴もうと思って頭は全力で動いていたんだけどね。


なかなか良いきっかけが見つからないまま時が流れてしまっていたんだ。


「ごちそうさまでした!」


笑顔で食事を終えた翔子はオレンジジュースを片手に幸せそうな表情を浮かべてる。


「ご馳走様です」


丁寧に手を合わせる沙織も残った紅茶を手にして満足そうに微笑んでる。


「………」


無言で箸を置く彼も食事を終えたようだ。


残されたのは僕一人。


最後に来たということもあるけど。


一番量が多いこともあって完食までまだしばらく時間がかかりそうだった。


だけどそんな僕を気にした様子もないまま会話に花を咲かせる翔子と沙織。


時折、彼も会話に加わって僕が食事を終えるのを待っている。


こうなってしまうと自然と手の動きが早くなってしまうよね。


それでも焦りを気付かれないようにと考えて、自然を装いながらみんなに接していく。




そしてついに…。




お腹を一杯にしながらついに僕も食事を終えてしまった。


もう会話を避けることはできないんだ。


彼との会話を先延ばしにすることはできない。


僕にとっての緊張の一瞬とも言える本題がここから始まってしまうことになる。


このあと彼からどんな話が聞けるのかな?


心の奥では彼の話を聞くことに対する興味心が渦巻いているんだ。


時刻は12時45分。


僕は今日最大の難関を迎えることになった。


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