崇拝
《サイド:美袋翔子》
はうぁ~。
話が難しすぎるわ…。
それが正直な感想かしらね?
だけど。
少しだけなら何となく理解出来た気もするわ。
要するに特性をそのまま発動するんじゃなくて、
個別に発動することが出来るかどうかっていう話よね?
たぶん、そういうことだと思う。
まあ、厳密に言うとちょっと違うかもしれないけどね。
大体そんな感じかな?って私は解釈したわ。
でもね~。
よくこんな難しい事ことを考えられるなぁ~って思う部分もあるわ。
ここにくるまで難しいことは全然考えてなかったし。
話を聞いた今でも完璧に理解出来たとは思わないからよ。
説明を受けても理解できないくらい私には手に負えない話だったの。
力を封印した影響でルーンが使えなくなったことは事実で、
現状としてどうなったのかを知りたいくらいには考えていたけど。
その結果としてこんな難しい話になるなんて全く思ってなかったわ。
だからそれだけで、やっぱり総魔はすごいって思ってしまう。
たった一晩でここまで考えるなんてすごくない?
私なんて成美ちゃんと楽しく過ごすことしか考えてなかったのよ?
ただでさえ私には理解出来ない書物を解読したうえに、
私には到底思い付かないような仮説まで作っちゃって…。
本当に総魔は凄いと思う。
尊敬と言うか…
憧れと言うか…
これはもう崇拝っていう感じかも?
そんな複雑な気持ちで総魔をしっかりと見つめながら。
黙って話の続きを聞く事にしたわ。




