興味心
《サイド:美袋翔子》
うぅ~ん。
どうしてこうなったのかな?
食堂を出たあとで総魔を追いかけてルーン研究所まで来ちゃったんだけど。
入口で西園寺さんに案内されるまま所長室にたどり着いて、
何故か今は黒柳所長と向き合ってるのよ。
どうしてこうなったのかなんて私自身もわからないわ。
ただ単に総魔にくっついてきただけだから、
どういう目的があるのか何も知らないのよ。
それに。
今まであまり黒柳所長と関わることなんてなかったから、
変に緊張しちゃうのよね。
なんとなく居づらい雰囲気を感じてしまうのよ。
あうぅ~。
私はどうすればいいの?
そんなふうに悩んでる間に、黒柳所長が総魔に話し掛けたわ。
「さて、話を聞こうか」
真剣な表情を浮かべてる。
今まで黒柳所長とは何度も会ってるけど、
今日はいつも以上に疲れた表情を浮かべているように見えるわね。
もしかして寝てないのかも?
そんな疑問を感じたけど、今は余計なことは聞かない方がいいと思う。
会話の邪魔をするわけにはいかないしね。
ひとまず私は総魔に視線を向けてみる。
何を話すのかな?
具体的な内容は知らないけど、
総魔が黒柳所長に聞きたい事があるからって言うから黙ってついて来たのよ。
だから私自身は話すことなんて何もないから何も言わないわ。
自分でも情けないな~って思うけど。
そわそわしながら総魔の言葉を待ってる感じ。
これからどんな話が始まるのかな?
緊張以上に興味心が上回ってる。
だから今はじっと総魔を見つめてるの。
黒柳所長もまっすぐに総魔を見つめてるわね。
そんな中で、総魔がゆっくりと口を開いたわ。




