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THE WORLD  作者: SEASONS
4月5日
201/4820

確認

《サイド:御堂龍馬》


さて、と。


帰宅する沙織と翔子を見送ったあと。


僕と彼だけが残ってしまうことになった。


いつもなら沢山の恋人達があちらこちらに姿を見せる時間だけど今日はあまりいないようだ。


何人かの生徒の姿は見えるけれど、すでに帰り支度が進んでいるように見える。


しばらくすれば誰もいなくなるんじゃないかな?


僕としてもここに留まる理由はないんだけど。


とりあえずやらなければいけないこともないことで、彼に話しかけてみることにした。


「それじゃあ、僕達も寮へ帰ろうか?」


僕達も、と言っても沙織と翔子は寮に向かったわけじゃないんだけどね。


二人は学園の西側にある女子寮に住んでるわけだけど。


彼女達が今向かっているのは学園の寮じゃなくて沙織の実家なんだ。


ほぼ毎日の日課でもあるらしいけど、

二人は『ある目的』があって毎晩実家に帰ってるらしい。


もちろんその目的が何かを僕は知ってるけれど、

軽々しく話を広めるつもりはないから話題にすることはしないよ。


僕が勝手に口にすることはないんだけど、

彼女達は今日も沙織の実家に向かって行ったんだ。


だけど僕は特に予定がない。


寮に帰って休むくらいしかすることがないからね。


だから彼に尋ねてみることにしたんだ。


「それとも、何か予定でもあるのかい?」


「いや、予定はないな」


彼は小さく首を左右に振っていた。


「だが、少し考えていることはある」


「考えていること?」


沙織と翔子のことかな?


一瞬そう考えたけれど、彼は別の疑問を口にしたんだ。


「北条真哉に関してだ。今でなくとも構わないんだが、早めに確認だけはしておきたいからな」


確認?


よくわからないけれど、彼は医務室に向かって歩きだしてしまう。


何を考えているんだろう?


気になってしまう。


真哉が関係していることなら僕も興味があるからね。


「僕も行くよ」


歩き始めた彼を追いかけて僕も歩き出す。


そして隣に並んで問いかけてみる。


「真哉がどうかしたのかい?」


「いや、直接的には関係ない。ただ、確認だけはしておこうと思う」


また確認、か…。


どういうことだろう?


遠まわしに答えてから、彼は口を閉ざしてしまう。


そんなふうに言われてもよくわからないままだけど。


何かやりたいことがあるのは分かった。


僕としてはその内容を聞いてるんだけどね。


だけどどうも答えてくれそうにない気がしてしまう。


だからこれ以上の追求を無理と判断して、成り行きを見守ることにしたんだ。


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