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考え方の違い
《サイド:黒柳大悟》
さて、どう答えたものか。
事実を言ってしまえれば話は簡単なんだが、
天城総魔の手を借りたとは口が裂けても言えないからな。
それができるのなら職員達に口止めをする必要はなかった。
だから、ここは話をはぐらかすしかないだろう。
ここまできて美由紀の愚痴など聞きたくはないからな。
「これといって大きな理由はない。ただそういった方法もあるかと思っただけだ」
特別な理由があるのではなくて考え方の違いだと説明したのだが、
美由紀はすぐに俺の嘘を見破ったようだった。




