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THE WORLD  作者: SEASONS
4月5日
145/4820

どうして

《サイド:常盤沙織》


どうなのでしょうか?


本当に魔術を使えなくする為の実験が行われていたのでしょうか?



事実がどうかは分かりませんが、

私達の知らない間に何らかの実験が行われているということを天城君は教えてくれました。


ですが。


もしも本当に何らかの実験が行われていたのだとしたら、

その事実を私はまだ知らされていません。


理事長から何も聞いていないからです。


もちろん研究所からもそういった報告を受けた覚えはありません。


私と翔子の立場的に情報が流せなかったという可能性はあるかもしれませんが、

それと今回の出来事は別問題です。


どういう理由があるにしても、

被験者の許可なく実験を行うことは認められていません。


少なくとも、危害が及ぶ可能性のある実験に関しては

被験者の同意を得ることが絶対条件とされています。


これは魔術研究所が定めた規則ですので、

黒柳所長が管理するルーン研究所もこの規則から外れることはできません。


それなのに。


被験者の身に危険が及ぶことを覚悟の上で何らかの実験が行われていたのです。


それが異常な出来事であることは私にも理解できました。


そして。


私はすでに知っています。


龍馬でさえもそんな実験がある事を聞かされていないという事実を知っているのです。


あくまでも今は仮説でしかありませんが、

本当にそんな実験が行われているのであれば何も聞かされなかった事に対して疑問が出てくるのは当然です。


なぜ情報が来なかったのでしょうか?


何も知らされずに天城君と北条君は実験台にされたのです。


その事実だけでも翔子や私が理事長の手元を離れるのに十分な疑惑だと思います。


だから、というわけではありませんが。


理事長に対する確かな不信感が生まれた瞬間でもありました。


どうして何も言ってくれないのでしょうか?


目的はわかりませんが、事実を確かめる必要がありそうです。


このままここで考えていても答えは出そうにありませんので、

私は理事長室に向かうことにしました。


「直接、事実を確認してきます」


そう言い残して立ち去る私の背中には、

少し近づき難い雰囲気があったかもしれませんね。


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