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Day:X
新年を迎えてからはやくも「一ヶ月」が過ぎた。
そして30分程経過している。
「一ヶ月」前は皆浮かれていたであろうその顔は、今は仕事や学業に追われてキリっとしている。
たった30日たらずでこうも人が変わるならそれはもう他人なのではないだろうか?
僕はそう思う。
隣の部屋のドアが開く音がした。
その音で目が覚めて体を半分おこす。
今度は自分の部屋のドアが開く。
月明りで、いやそうでなくても誰が来たかわかる。
「どうしたんだい?」
優しい声で尋ねた。しかし体は震える寸前だっただろう。
そこに立っているのは包丁を持った少年。
彼はこう答えた。
「先生・・・考えたよ。でもやっぱり・・・信じられない」
そう言うと、二人の影が重なる。
まるで抱き合っているかのようだ。
避ける事もできぬまま嫌な感覚が体を駆け巡る。
「すまない。やはり救えなかったか。」
その後二人は離れて大きい影が倒れる。
そこから流れる液体の色は何色か誰もわからない。