Ⅱ-1 天敵の天敵
2015 3 13加筆済
クロ、シロ、ケイジの三人を乗せた車は国道に沿ってゆっくりと南へと向かっていた。ケイジを拾って既に七時間、荒れた道があったにも関わらず、ずっと後部座席で横になり寝息を立てていた。
移動に時間の掛かる国道を使い高速道路を使わないのには、大きく分けて三つの理由があるだ。
一つ目は想定外の混雑を避けるため。高速道路は基本的に交わらない為に時間の短縮には向いているが、咄嗟の事故などで足止めを喰らった際には逃げ場がない。
二つ目は人の往来を知るため。国道は高速道路と違い人の生活に密着している。AFは人伝いに広がるため、異常があれば逸早く察することが出来る。逃げる人が多ければ騒動の鮮度が良く、逆に往来がなければそれだけ人が減っていることに繋がる。
三つ目は、……シロに速度の出せる道路を運転させたくないからだ。
クロが以上の説明を終えた際、ケイジは寝息を立て、シロは青筋を浮かべていた。
国道を使うという提案に反対はしなかったが、愚痴は存分に零していた。
「だからさー、高速に乗って私が運転したら同じ時間で九州二周は出来てたのにさー」
そう豪語するだけあってシロの運転技術は確かに高水準を維持している。問題があるとするなら、道交法を無視して車の限界に迫ろうとする点だ。
「それは無理だな」
「いいや、絶対いけたよ」
そう言うとシロは、スピードを出す車がどれだけ素晴らしいかを語りだし、終いにはノロマな運転がどれ程危険かを――主に自分の運転の邪魔になる為――熱く語った。散々な言い分であるが、クロは無理に改めさせようとはしない。無駄なのは分かっているのだから。
「クロって速さこそ力! ってのを具体化してるのに、なんで運転だけはそんなにゆっくりなの? 九州一周のタイムアタックに挑もうと思わないの?」
「俺は助手席でもごめんだ。挑戦者ならパトカーが飛び入り参加してくれる」
「まさか怖いの? クロの可愛い一面知っちゃった」
シロはキャーキャーと嬌声を上げる。クロはそれが煽りだと分かっていてもアクセルを踏み込むことで応える。
「わっ!」
計器の針はぐんぐんと動き、風景の流れも次第に速くなる。幸いここは山道で、車もいなければ民家もほぼない。「こんなのは、速い内にも入らない」と内心で呟きながらも、クロは更にアクセルを踏み込む。シロの要求に応えること自体は、吝かではないのだ。
隣で引き続き嬌声を上げるシロを見て、クロは徐々に速度を落としていく。シロは満足したのか何も言わず、代わりに急な加速と減速を行ったために体勢を崩したケイジは目を覚ます。
いててとぶつけた頭を擦り軽く背筋を伸ばす。狭い車内で身体を解したケイジは、そのまま運転席と助手席の間へと身を乗り出す。
「おい、まだここなのか……。俺は本当にドライブに連れてこられたのか」
カーナビの位置表示を眺め、目覚めたばかりのケイジが不満を漏らす。シロは突如割り込んだ狭苦しさに辟易としながら、その巨体を後ろに押し返す。
「運転は安全に、が俺の信条だ」
「地獄の果てまで付き合うっつたろ。安全運転なんて投げ捨て――――」
ケイジは途中で言葉を切る。押し返される最中、シロの表情の変化に気付いたのだ。
「どうした、シロ?」
それはただの不機嫌ではなく、少しだけ緊張の色を含ませていた。
「ケイジ、後ろにある荷物から赤い取っ手に銀色の箱の奴を取って」
「お、おう」
有無を言わさぬ迫力が、ケイジに荷物を探させる。比較的手前にあった荷物はケイジの手に引かれ、そのままシロの元に届けられる。
「ありがと」
荷物を受け取り感謝の言葉を返すと、シロはナンバーを合わせて電子ロックを開錠する。中には皮手袋とメリケンサックを足して割ったようなグローブが収められている。防寒用としては薄く、バイク乗りが使う皮手袋にしてはあまりに見た目がゴツゴツとしている。大きさ的にシロではなくクロが使うモノであるのは明白だ。
「多分、そろそろ……うん、近くにいるよ……」
緊迫した車内の雰囲気が、ケイジに何がそろそろなのかを告げる。神妙な顔の二人を前にしても、ケイジの軽い口調は変わらない。
「おいおい、随分と適当だな」
そう言いながらもケイジは懐から拳銃を取り出し装弾を確認する。ケイジ用の武器も幾つか見繕い持って来てはいたが、当面は使うつもりはないと断られた為に他の荷物と一緒に箱の中で眠っている。
「で、AFってどんなナリしてんだ?」
クロとシロは互いに顔を見合わせ、困ったように答える。
「見たら分かる」
「あーこいつ敵だなーってナリしてるよ」
曖昧な返答ではあるが、曖昧であるがこそ的を射ていた。AFは成長過程や宿主で個体ごとに違いが現れる。尤も確認されて二十年、人類はAFの生態をあまり掴めてはいないのだ。
「分かってるとは思うけど、あれはAFじゃないから」
シロの補足通り、車を止めたのはAFではなかった。緑色の迷彩服とヘルメットを身に付けた二人組だ。軍人であるのは一目で分かるが、小銃は片方しか抱えていない。
「はーい、そこの車。ちょっと止まってねー」
突然道路に飛び出した二人組が、車の進行を遮りに掛かる。安全運転が信条と言うだけあってクロはかなりの余裕をもって車を停止させる。おかげで声の主とはかなりの距離が空いていた。
クロは敢て徐行で進まず、得た猶予を打ち合わせに費やす。
「軍の検問か……」
「この人たちは無事……だけど、この先に点在してるかな」
「ケイジさん、銃は隠してくれ。俺たちは大学のサークルってことにしておこう」
「私が上手いこと言い包めるから、必要に応じて二人はアドリブ。いい?」
「了解だ」
車の中で最低限のやり取りを済ませ、近寄ってきた若い二人にクロが窓を開けて対応する。当然言うまでもないが、どちらも黒目黒髪で典型的な日本人の顔立ちだ。
「ごめんね、学生さん。この先ちょっと通行止めでね」
「何かあったんですか?」
「ほら、例のテロ関連だよ。関門橋が落ちたって奴、知ってる? その武装した犯人グループがこの先に逃げたらしくて、キミたち巻き込まれたら大事だから誰も通すなって怖い隊長に言われててさ」
フレンドリーながら幾つかの予防線を張り巡らせている。"武装した犯人グループ"、"キミたち巻き込まれたら"、"怖い隊長"――どれも自分の手の届かないモノであり、文句は受け付けないと暗に示しているのだ。職務に忠実で、どんな理屈を持ってきても折れそうにないと思わせる雰囲気がこの軍人の青年からは滲み出ていた。余程のことがない限りここから先に行かせてくれないに違いない。
「じゃ来た道戻れっての?」
「本当に誰も通せないから、悪いけど引き返してね」
「来た道って……、今から?」
助手席のシロがクロと青年の会話に割り込む。不機嫌を隠そうともしない。自分の容姿が優れていると知り、それを前面に押し出す扱い辛い美女を演じている。そしてその口調で不満を口にするシロを軍人の青年が宥めようと四苦八苦して、いつしか本気で焦り始めていた。
流石に不味いと思ったシロは、青年に逃げ道を用意する。
「いや、私はいいんだけどさー。後ろの先輩がずっとトイレ我慢してて」
シロの言葉通りにケイジは苦悶を滲ませ、首を縦に振る。
その様子を見た青年が後方に控えたもう一人に目配せする。もう一人は無線で連絡を取り始め、シロに何度か目を向けて口を動かす。そして連絡が終わった後、こちらに近寄り告げる。
「この先は一本道で、少し行った所に野営地があります。簡易トイレもあるので、そこでお願いします。もうすぐ日も暮れますし、サッと済ませて戻ってきてくださいね」
その背後では最初の青年がホッと安堵を浮かべていた。
三人は軽く感謝の言葉を並べて車を出す。
「陸の奴らはお粗末だな。検問っぽいことやってんのに荷物調べてないじゃねーか」
「調べられたら俺たちは本物のテロリストになれたな」
「……それ洒落になんないよ、クロ」
思い思いに軽口を叩く間に、野営地は目と鼻の先にまで迫っていた。野営地は元からあった森の開けた一画を利用して、そこにテントや軍用車、その他諸々の設備が並べられていた。
そこから一人が道路に乗り出したかと思うと、手を大きく動かし始めた。車はここに止めろ、と誘導しているのだ。
誘導された先には、野営の規模から駐屯している殆どの隊員が集まっていた。ビシッと敬礼を決める――などの動作はなく、無造作に屯している。迷惑そうな視線を向ける者もいれば、全くの無関心を貫く者もいた。
シロは彼らの視線に物怖じすることなく車から降る。
「この中にもいない……。うーん、確かに気配はあるんだけど」
探るように辺りを見回しながら、シロはんっと長旅で凝った体を伸ばす。迷惑そうな者や無関心な者を含め、この場の全ての視線がシロに集まる。クロはこっそりと検問の一人が言っていた"怖そうな隊長"を探すが、該当者は見当たらない。
「なんだ、みんなシロ目当てかよ……」
ケイジが心底呆れた声で呟くがシロ当人は気にも止めず、見られるのには慣れているとでも言いたげな態度を崩さない。
「まあいいか。俺、ちょっとトイレ借りてくるぞ」
車を降りて伸びをしても、ケイジには当然視線が集まることはない。だが勝手に歩かせる訳にもいかず、上官らしき壮年の隊員が若い隊員に役目を押し付けて、自身は目の保養に戻る。
だがシロに集まった視線の数々は、次第に別の場所へと固定されていく。
その存在に気付いた軍人の一人が呟き、それが徐々に波及していく。シロの容姿よりも、彼らの方が余程衝撃的なのだ。
「来たよ、クロ」
シロはボンネットを軽く叩き、クロの意識を引く。
シロの武器はその身に宿った『魔法権利』で――要は戦闘は素手で行う。だが野営地にいる隊員たちは違う。彼らの武器は銃火器の類であるにも拘らず、半数以上が武器を持たずに佇んでいた。迫る敵に気付くこともなく無防備を晒したまま、ジッと一点を注視していた。
その視線の先には、二人の子供がいた。
中学生らしき制服姿の女の子と、それより少し幼い男の子。二人はちょうど道の反対側に立っている。つまり自分たちの向かう先から来ていたのだ。
女の子は無表情でこちらを眺め、男の子は下を向き嗚咽を漏らしている。固く握られた手と双方の服に飛び散る血痕から、姉弟で何か怖い目にあったのだろう、と普通の人間なら推察しただろう。
事実、我に返った壮年の隊員が保護のために近づいていく。
クロは薄いグローブを身に着け車を降り、シロの傍に立つ。
「クロ、今ここで最悪の状況は」
「このまま潜られることだな、シロ」
用を足したケイジが戻り、それに合わせて最初に動いた隊員に追従する形で隊員各自が行動を開始する。
だが彼らの身体と意識は、大声で引き止められる。
「動くなッ!」
クロの迫力のある声が、視線と行動を釘付けにする。体を動かしかけた隊員も、状況の飲み込めないケイジも、当然、血塗れの子供たちも。
そして次の行動に移る誰よりも早く、シロの『魔法権利』が発現する。
夕闇に染まる森を照らす人工の照明を打ち消して、明るく輝く『閃光』がシロから迸った。
日光のように明るく月光のように眩しくない謎の光に、大多数の人間が振り向き釘付けとなり、大多数ではなかった残りの人間たちは――――
「アッ、ぎぎっ、っぐ――」
「う、あああああああああああああ――――」
各々が別種の悲鳴を上げていた。
一人はシロの『閃光』を直に浴びた姉弟の姉の方で、もう一人は弟の方に影を提供した壮年の隊員だった。姉の方は体の随所を焼きながら悶え、そのまま動かなくなる。壮年の隊員は弟の方を突き飛ばす形で数歩よろめき、仰向けに倒れ動かなくなる。
クロの声とシロの『閃光』に引き寄せられた隊員たちの視線は、まず仲間の死体へと移る。
小さな子供を押し倒し、その反動で倒れた壮年の体には赤い花が咲いていた。壮年の隊員の腹は大型のネコ科動物や羆の爪で抉られたかのように裂かれて赤く染まり、その血だまりの中で大きなミミズのような生き物が蠢いている。そしてそれは、隊員の内側を目指して動いていた。
次に視線は、『閃光』を放ったシロへと移る。
シロは端整な顔立ちを一層鋭く研ぎ澄ませ、その意識の全てを残された弟の方へと向けていた。その白い肌に一本の線が加わっていたのだが、この状況でそれに気付く者はいない。
最後に視線は、壮年の隊員に押され倒れた弟の方へと移る。
先ほどまでと打って変わって嗚咽はすっかり鳴りを潜め、立ち上がった弟の顔はコピー用紙を張り付けたような無表情となっていた。腹部に新たな赤い染みを作り、衣服の下では鉛色の何かが蠢いている。大人の力で突き飛ばされた痛みを感じることもなく、獲物を見定めるようにジッとこちらを見つめる瞳は子供らしさの欠片もなく、より不気味さを引き立てる。
逆方向からやってきた二組の来訪者――白い美女と無表情の子供が睨み合う。
どちらが味方寄りなのかは明白だが、混乱した頭で身体を迅速に動かせはしない。
緊迫状態の中で最初に動いたのは、銃を手にした大男であった。
パンッ! パンッ! と乾いた発砲音が二発、森の中に響く。
撃ったのはケイジで、撃たれたのは弟だ。9mm弾は右膝と腹部に一発ずつ命中し、子供サイズの足は吹き飛んでしまう。物理的に立てなくなった弟は倒れ込み、銃弾を受けた腹部に潜んだ鉛色の生物も、小さな体の下でのた打ち回っていた。
「これがAFか? 思っていたよりずっと胸糞悪い生物だな」
ケイジが狙いを付けたまま率直な感想を述べる。
「まだまだ、これからよ」
シロが肩を竦め、少年の体ごとのた打ち回るAFと、壮年の隊員に潜り込もうとしていたAFを纏めて『閃光』で焼き払う。シロの放った光の塊を前にどちらのAFも逃げられずに息絶える。
「お、おい、お前たち! なななんだその化け物は!」
「必要なのは説明でなく、武器だ。化け物はアレだけじゃない」
動揺する隊員に的確な指示を飛ばすが、あまり効果的ではなかった。それどころか言葉と共に周囲の森を見渡すクロに、恐慌状態へ最後の一線で踏み止まっていた隊員たちの半数が、一歩先へと進んでしまう。
「う、うわあああああああああ!」
先陣を切って逃げ出した若い二人は、森の傍に止めていた車に乗り込もうとした。だが寸前で捕まり、悲鳴を上げながら森の中へ引きずり込まれていく。ケイジもシロも反応出来ない。それ程に相手側の手際は良かった。
道路を挟んだ左右の森から、先程の兄妹と同じような人々が現れる。
角材を手にした者や衣服の殆どを赤黒く染めている者、肩口からばっさりと避けた服の下に肌色ではなく灰色を晒している者まで、気付けば十数人の規模に囲まれていた。
更なる犠牲者もあって、部隊の大半は恐慌状態に陥っていた。尻餅を付く者、武器を探して震える手で自身の衣服を漁る者、金魚のように口をパクパク動かす者……。
「クロ、無闇に恐怖を煽らないでよ」
シロはクロに心底面倒くさそうな声を向け、パニック状態に陥った意識を『閃光』で集めて落ち着かせる。優しい光に纏められた隊員たちは、少しだけ落ち着きを取り戻す。
「ここは私たちに任せて。道路の真ん中で固まってて」
そしてシロとクロは、それぞれ森から現れた人々に向かって拳を構える。
「やっと俺の出番だな!」
そこに敵のAFではなく、ケイジが意気揚々と飛び出してくる。
大抵の人間は、AFを見たら恐怖と気味の悪さでで震えあがる。特別な訓練を積み、安全地帯で何度もAFの存在を慣らしてやっと戦えるようになる。そのくらい人間としての本能がAFを拒否している。その真偽は分からないが、そういった研究報告書も幾らか提出されているらしい。
ただケイジは、その学者の報告を台無しにしてしまう程に元気溌剌だ。右手で拳銃を構え、左手には大きな工具を握っている。戦う気は充分に伝わってくるが、些か空回りしている風でもある。
「俺はどっちだ! どっちの奴を倒せばいいんだ?」
もっとも物怖じしないからといって、戦って生き残れるか否かは別である。
クロとシロはその鬱陶しい年上の友人を傍に置きたいとは思えず、押し付け合う。
「シロを手伝えばいい」
「クロの『魔法権利』は大勢倒すのには向いてないの」
「シロは俺より打たれ弱い」
「だから、なによ?」
お互いの顔を見ずに、道路を挟んだまま次第に険悪になっていく。
「あー、痴話喧嘩より、俺はどっち――――」
「邪魔だからそこにいて!」
二人の遣り取りに意気を殺がれたケイジが口を開くと、待ってましたと言わんばかりにシロが答える。
「相手が少数だと逆に流れ弾が怖い。頼むからジッとしていてくれ」
少数だ――とクロは言うが、周囲を囲む人間の数は両手の指を越えている。子供だけでなく、その半数以上が成人男性でもある。この全てにAFが寄生しているとなると、ただの虚勢にしか聞こえない。AFの恐ろしさ以前に数で押され兼ねない人数差だ。現に残った隊員たちは、二人が返り討ちにあった時に備えて武器保管所までの段取りを相談し始めているのを耳敏いケイジは聞き逃さない。
けれどそんなケイジの不安を余所に、二人は余裕を崩そうとしない。
「ケイジさん、一つお願いがある」
「合図して、タイミング逃して動けなくなっちゃって……」
森から這い出た人々は二人を囲むように見えるが、逆に睨まれそれ以上は近づけずにいる。クロの放つ威圧感とシロの纏う『閃光』を恐れているのだと分かる。人間がAFを恐れているように、AFも二人を本能的に忌避しているのだ。
虚勢など、この二人は張る必要がない。この場にいる全ての人間がそれを察した。人体に潜む人類の天敵――AFと対峙することは、二人にとっては生きている魚をまな板の上に置いて、どう料理してやろうか悩む程度のことなのだ、と。
例え相手が人食い魚であっても、まな板の上ならば自分たちも恐れることもない。水の中ではないのなら、無駄に指を近づけなければ食い千切られることもない。そして助力を求めていないのならば、しっかりと椅子に座って二人の料理人が人食い魚を捌き終わるのを待てば、後は綺麗に料理が並べられる。
「分かった。合図でいいんだな」
ケイジは、この場で助力云々を考えるのをやめた。
そして森から出てきた手近な人間に一発、鉛弾をぶち込んだ。