1ゲーム目-1
1ゲーム目-1
俺は橋野和樹。25歳のニートだ。
ある日、俺のもとにある招待状が届いた。
とあるゲームのお知らせらしい。
そこには実施時刻やゲーム会場が記してあるようだった。
俺はまたどうせしょうもない広告だろうと思い、ソレはゴミ箱に向かう途中だった。
その時、俺の目に、ふっととある文が目についた
「………ハァ⁈」
思わず拍子抜けした声が出てしまった
あまりにも馬鹿げていて…だけど、あまりにも魅力的なものだった
「『優勝した方には、望みを一つ叶えてさしあげます!』…って…⁈どんなゲームだよ…⁈」
俺はふっとあることを思いついた。
___もう叶わないと思っていたあの日々。
もし俺の願いを叶えるなら、俺は頼むことは一つでよかった。
「だけど、こんな美味しい話あるわけないよな…」
こんな望みを叶えるなんて、地球破滅だってできるわけだし、人智を超えたゲームなのだろうか?
それとも、この世のバカどもを集めて、人質にしてどうにかしようって言うのか…?
…これ、他の家にも配られているんだろうか…?
となりの家のポストもこっそり見てみようかな…?
心臓が高鳴る
もしこれが、俺の家にしか届いていなかったら…
もし、これがただの広告じゃなかったら…
もし、これが、「俺」に宛てられた招待状だったのなら…
こんな命も…捨てたもんじゃないかもしれない…
もしかしたら、自分も
あの子を助けられるのかもしれない
また、生きていこうって、思えるかもしれない。
近くにあった家全部のポストを見て回って行った。
周りから見たら、ただの変人にしか見えないだろう。
結果…
周りの家にはなかった。
なぜ、なぜ俺のところに…
しかも、なぜ俺がそうやってゲームに参加したくなるっていうのがわかったんだ?
たまたま…か?
「________どうせ、捨てた命だ。」
「死んでいない」が「生きている」こともないこの人生において、自分の存在意義さえなくなってしまったこの命。
どうせこのゲーム会場で騙されて殺されたとしても、後悔することもないし、俺はむしろ死んだって構わない。
__でも、もし、これが本当なら…
この腐った人生でも…もしかしたら、もしかしたら、変わるかもしれない。
…騙されたと思って、行ってみようか…ゲーム会場に。
俺は決心した。
そのゲームが俺の人生を大きく変えてくれることを信じて。