戦のケジメ
「一ヶ月も休みとは」
「全然連絡取れませんね」
「きっと、二人で駆け落ちでもしたんでしょ」
生徒会の千景、羽舞、新田が放課後の生徒会室に集まっていた。
「教師達も連絡が取れなくて困っているみたいだけど」
「ダイジョブ、ダイジョブ! 心配なんて要らないっすよ。ひょっこり帰ってくるって」
千景の心配を他所に、新田は不安には思っていなかった。
「ご家族の方々が警察に届けるか考えてるみたいです」
「分からなくはないわ。特に夏郷は以前にも音信不通で帰ってこなくて、警察に捜索願を出した後に帰ってきたって親御さん言っていたし」
「理由は?」
「旅に出てた」
「なるほど。夏郷らしいや」
「その時は半年で戻ってきたらしいけど」
「無事だと良いんですが」
生徒会の面々が空を眺めた。
※ ※ ※
「くっ!」
「甘い! 脇を意識しろと何回言えば解る」
夏郷は、早姫から剣術の稽古を受けていた。
「はあ……はあっ!」
夏郷が早姫の首元を狙うが、早姫が夏郷の腕を叩く。
「いってえー!」
「夏郷、これが真剣ならば……分かるな?」
「分かってる、けど」
夏郷が大の字に倒れた。
「空は綺麗だな」
「そうだな」
「夏郷、勝ったか?」
「0勝五十敗だよ」
「そうか。うむ、次は勝てるとよいな」
破耶が屋敷の掃除に戻った。
「夏郷には勿体ないな」
「よく言われるよ」
「早姫隊長! 敵が攻めて来ました!」
早姫の隊の者が知らせに来た。
「分かった」
早姫は鎧と面を着けた。
「早姫さん、健闘と帰還を」
「破耶の祈りは効くからな、有難い」
早姫はそう言うと馬に乗った。
「まだ面を着けるのか?」
「実力が備わっていても女というだけで相手にされない。昨月、二人に言ったことは変わらない」
「自信を持ってくれ」
「夏郷、破耶、行ってくる」
早姫が仲間と共に戦場へ駆けた。
「俺は戦わないって言っても、早姫は何かの縁だと剣術を教えてくれてる」
「まるで何かを残すかのようだな」
※ ※ ※
早姫が戻ってきたのは、夕陽が落ちる頃だった。
「すまない……敗けた」
「仲間の人達は!?」
「私以外は自害や斬られてな」
早姫は身体を震わせる。
「私も皆の後を追う。その前に夏郷と破耶に会いたくてな」
「早姫さん!?」
「せっかく助かったのに! 貴女を仲間は、命をかけて守ったんだろ! だったら!?」
「戦は誇りだ。その誇りを懸けた場所で死ねるなら私には褒美に近い」
「行かないでほしい。わたしは、もう友達を失いたくはない!!」
「有り難う……」
早姫は馬で駆けていった。
「嫌あぁ……」
破耶が崩れ落ちる。
「……させない、俺は……」




