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ぐだぐだっ☆  作者: 猫背
3/14

3話

元々書いていた「ぐだぐだッ☆」の再編集版となります。

3話は5、6、7話分を編集した物です。

※今後、追記や修正する場合もございますが、その度にお知らせさせて頂きます。

「ま、まさかッ……。女の人を連れ込んでるなんて……。」

ふざけながら悲しむ美羽…。

それにつられて、他の2人も悲しむ…。

「学校早退されてたから、心配しておりましたのに……。」

「……がっかり………。」

蘇芳さんの姿を見るなり、一斉に非難の声が飛び交う。

「へ、変な言いがかりつけるなっ!」

「あら?あら?修羅場かしら…?ふふっ…。」

蘇芳さんは、クスリッと笑いながら、この状況を楽しんでいる。

と、とりあえず、この状況を打破しなくては……。

「お、お前らっ…。言い分は分かるが、初対面の人に失礼だろう!挨拶ぐらいしろよっ。」

「そ、そうですね。お初にお目にかかります。楓と申します。」

「…凛です。」

「さっきは、ごめんなさいッ。そして、はじめましてッ!美羽といいます。うちのちびっこが、いつもお世話になってます……?」

「誰がちびっこだ……!」

「詠人様照れて……、可愛い…。」

「…160センチ=詠人=ちびっこ……なの………?」

「ち、違うっ…!」

ペースに乗せられっぱなしだ……。

そんな中、蘇芳さんが口を開く。

「こちらこそ、はじめまして。詠人くんの妻の蘇芳です。」

「……!?」

その言葉を聞いて、3人が固まる。

「ちょっ、蘇芳さん冗談はそろそろやめてくださいっ!」

「あら…?そう…?3人の反応があまりに面白くて…つい…。」

完全にからかわれてる…。

しかし、とりあえずこの状況を3人に説明しなくては…。


「今の状況を説明するけど――――。………っ!?」

説明に困ってしまった。

なぜならば、蘇芳さんが魔法使いで、さらに俺が狙われているという話。

話しても…、信じてくれるだろうか……?

そういう不安にかられていた。

それが表情に出ていたのか、楓が口を開く。

「詠人様…。無理にお話しなくてもよろしいですよ…?」

「え……?」

「そ、そうだねッ!詠人、無理に話さなくても大丈夫ッ!」

「詠人…。……詠人が話したいときに話して……。」

気を使ってくれている。

いつもはあんな調子だけど、ホントは優しい……。

そんな優しい友達に感謝しながら俺は言う。

「わかった……。というか、ごめんなっ!今は説明が難しくて…その……。でも、いつかきっと話すから!」

「うんッ!」

「はいっ!」

「…了解っ。」

3人が納得する。

それを黙って見ていた蘇芳さんが、俺に耳打ちする。

「あの話の続きは、また後日するわね。」

そう囁き、彼女はドアの方に歩いていった。

そして、

「じゃあ、私はこれで失礼するわね。みなさんまた会いましょう。」

そう言って、彼女は家を出て行った。

「不思議な方でしたね…。」

「…みすてりあす……。」

「き、気になるッ……。」

そう話してる3人と俺で、彼女の後ろ姿を見送った……。

さて……、こいつらの来た理由を尋ねることにする。

「そういえば話変わるが、何で俺の家に来たんだ…?」

「早退なされてたので、心配して来たのですけれど、その他には…。」

美羽が口を開く。

「今日詠人の家に来たのは、みんなで作戦会議するためだよッ!」

「え……?」

「…詠人……、女になったから………。それの……。」

その言葉で、自分の日常生活の問題を思い出す…。

「そ、そうだった……。朝からのドタバタで、考える暇なかったな……。」

「ふふんッ。私たちが来たからには、もう大丈夫だよッ。ワトソン君ー!!」

「だ、誰がワトソン君だっ……!」

何を根拠にこんな自信があるのだろうか…。

凛と楓が口を開く。

「…ワトソン君…、疲れた……。」

「私も疲れましたわ……。」

その言葉を聞いて、気づけば、みんなずっと玄関に立ちっぱなしだった。

「わ、悪いっ!みんな、上がってくれ。」

慌てて、そう言って3人を家にあがらせた。




「ただいまー!!」

そう言って、俺は自分の家に上がった。

みんなが玄関に集まってくる。

「………、詠人…ぷっ…ぷふっ…、も、もう…だめ……アハハハハッ。」

「…うっ…ひっく……。え、詠人様……助けてぇ……!」

「うん…、何も…見てない……。でも…ちょっと……ショック………。」

玄関に上がるなり、3人が変なことを言ってきた。

「こ、これは…。ど、どういう状況なんだ?俺のいない間に何が……。」



……この状況になるまでの経緯……。


「あ、れ…?さっきの蘇芳さんに出した分で、紅茶切れたのか……。でもせっかく来てくれたし、出さないとなぁ……。」

居間にみんなをあげたが、出す紅茶が切れていたのだ。

「ちょっと、そこまで紅茶買ってくるからそこで待っててっ!!」

そう言って、俺は家を出て行った。

「詠人帰ってくるまで何しとくー?」

「………うん…………?」

そう3人で迷っていると、楓が口を開く。

「そうですねぇ……。詠人様はまだ1人暮らしなんでしょうか……?」

「そうだよッ!詠人の両親は仕事で海外行っちゃってる。帰ってきてたら隣の家の私が気づいてるッ。」

「それなら待つ間、みんなでお掃除でもしましょうか……!」

そう楓が提案した。

そして他の2人がそれを了承する。

「…了解……。」

「いい考えだねッ!じゃあ、私お風呂場辺り掃除してくるー!」

「…2F…行ってくる……。」

「では、私は台所でもしましょうか……。」

そう言うと、各自掃除に移った。




美羽→お風呂場にて。


ガラガラー。

お風呂場のドアを開けた。

「着いたッ!。…久しぶりにお風呂場見たなー……。」

私と詠人は家が隣で、小さい頃からの幼馴染み。

さらに、私の親と詠人の親の中も良くて、昔からどっちかの家に泊まったり、お風呂に入ったりしによく行っていた。

「昔はよく一緒にお風呂とか入ってたなぁ…。懐かしい。いつからかなー、一緒に入らなくなったの……。」

昔のことを思い出していた。

「最近、ちょっと寂しいかな……?」

そんなことを考えていたが、すぐに我に返った。

「って、何を考えてるんだ、私ッ。今は掃除するんだったッ。美羽ふぁいとッ!」

そう言って、掃除に取り掛かった。

「お掃除、お掃除、おっそーうじッ!お掃除、お掃除、おっそーうじッ!おそ…、うん…?」

な、何かを見つけた。

「こ、これはッ……!?も、もしかして、この形、色のツヤ、光る職人技?……。雑誌の最後らへんのページとかでよく見かけるような……。」

どうやら何かに使う道具のようです。

「わ、わわ、わかったッー!し、身長伸ばす器具だッー!……ぷ…ぷふ……くぅ…。」

その時、玄関から声が聞こえてきた。



楓→台所にて。


「男性の方の1人暮らしなのに、以外に片付いてる……。困った…ですわね…。」

でも、何かしないと……。

そう思い、よく周りを見てみる。

すると、

「あっ…、片付いてないところもあるんですね…。」

朝食べた後のと思われる洗い物だった。

「詠人様、朝からのドタバタで何もできなかったとおっしゃっていましたが、これもそうですわね……。」

そう言いながら作業にとりかかる。

「詠人様、1人暮らしですけど、ちゃんと食べているんでしょうか……。」

そう心配事をしながら洗っていた。

そんなときだった。

悪夢が起きる。

ガサガサっ…。

「………?」

ガサガサッ…。

「何かし……ら―――?」

ある生物と目と目が合ってしまった…。

こげ茶色の小さい姿に、長い触角…その他色々…。

「い……、いやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

その生物はどんどん近づいてくる。

「だ、、だめ…。わ、わ、わたし…あ、あなただけは、む、む、むり…なんです……。」

その時だ。

玄関から声が聞こえてくる。



凛→2Fにて。


「…部屋…いっぱい……。………?」

部屋を見て回っていると、ある人物の部屋を見つける。

『詠人の部屋 ノック忘れるな!』

そう書いてあるドアを開け、部屋に入ることにした。

「入るよ……。…うっ……、汚い……。」

朝からの真一とのやりとりがあったままの部屋。

もちろん散らかり放題です。

「でも……、掃除………。」

掃除を開始した。

「………。」

もくもくと作業を進める。

そんな時だ。

「…何だろう……?」

ベッドの下に1冊の本があるのが見えた。

「……?」

開いてみた。

顔が赤くなる。

「………。…巨乳……ばっかり………。」

他にもそういう本が転がっていた。

しかし、あるテレビ番組を思い出す。

「………貧乳は…ステータス…………?」

その時だ。

玄関から声が聞こえてくる。



さきほどの現状を理解し、その後の対応が大変だった。

160センチの俺をからかう奴、茶色い生物の討伐、ベッドの下にある本についての言い訳。

それらを何とか解決して、本題に戻る。

「えー、やっと落ち着いたわけですが、本題に入ってよろしいですか…?」

一息ついた俺がしきることにする。

そして3人が返事をする。

「はーい……。」

どうやら反省はしているようだ。

「そんなに気を落とさなくていいよ。それより、これからのことなんだけど―――。」

最後まで言う前に、美羽が言葉を遮ってくる。

「はいッ、はいッ!」

どうやら何か言いたいらしい。

さっきまで反省してたのに、切り替え早いな…。

「な、何?」

「今日の学校で、校長室に呼び出されてたけど、何て言われたのッ!?」

「あっ、あぁ……。校長に言われたのは学校を退学になりたくなかったら、言葉を女らしくすること、女物の制服を着ることだってさ……。あの校長も困ったもんだ…。」

「校長、ぐっじょぶッ!」(ボソッ)

美羽が小さい声で何か言っていたが、聞き取れなかった。

「ごめん、聞こえなかった。もう一度いいか…?」

「な、なんでもないよッ。」

美羽が慌てて誤魔化している。

その理由を聞こうとしたが、楓が口を開く。

「でも……、校長が言っていることは正しいですわね。詠人様は今は女性であるわけですし…。」

まぁ、確かに認めたくはないがその通りだ…。

「詠人……残念だけど…従うしかないと思うよ……。」

「諦めるべしッ!!可愛いし、そうした方がいいよッ!」

凛と美羽もその通りにするべきだと主張している。

仕方ない……。

「わ、わかったよ……。で、でも、いきなり女性らしくしろって、難しくないか……?」

「ふふふッ。そのために私たちがいるのだよッ!」

美羽が満面の笑みで言ってくる。

絶対、面白がってるな…。

「とりあえず、何をすればいいんだ…?」

それを聞いて楓が口を開いた。

「まずは、女性らしい言葉から…ですわね。」

「わかった。やるからにはビシバシ鍛えてくれっ!」

「わかりました。」

「…了解……。」

「おっけぃ!」

ということで、まずは女性らしい言葉を身につけることになった。

「ところで、今日俺が―――。」

全部言う前に言葉がかぶさってきた。

「もう、始まってますわよ。」

ボスッ。

「何するんだよっ!」

楓が笑顔で頭を軽く叩いてきた。

「女性らしくするのですよね……?」

言い返せない…。

「くっ……。」

ボスッ。

またか……。

「…違う……。」

「い、今のがっ!?」

「チェストッ!!」

ゴスッ。

美羽が殴ってくる。

1人だけ威力が違ったのは黙っておこう…。

正直痛い。超痛い。

「っ……。」

「女の子はそんな風に言わないよねッ?」

「は、はい……。」

こんな感じで鍛えられるのか…。

なかなかきついな…。

「…続きは……?」

凛が続きを聞いてくる。

「えっと…、今日私学校に行ったけど、クラスのみんなには女ってこと気づいてた…?」

「無問題ッ!」

相変わらず美羽の言葉はわかりづらい……。

「気づいてないと思いますよ。」

「そうなんだ…。楓、ありがとう。」

ホントありがとう…。

君のおかげでいつも状況がわかりやすい。

「い、いえ。お礼なんて…、当然のことをしただけです。」

「な、なんで、私にはお礼言わないのッ!?」

「なんでかな…?自分の胸に手を当てて聞けばいいよ。」

美羽は適当にあしらっておこう。

その時、凛が口を開く。

「…詠人。今日は…もう遅いから帰る……。」

「え、あ、わかった。」

外を見てみると、もう夕方から夜になっていた。

「もう暗くなってる!?私も帰るッ。」

「私も帰りますわね。詠人様。」

そう言ってみんな玄関へ向かう。

そして玄関で、

「今日は遅くまでごめんな!…違った、遅くまでごめんね!」

女性らしい言葉、難しいな…。

「私たちがいないからって気を抜くなよッ!ワトソン君ッ!」

美羽が念を押してくる。

「わ、わかってるよ!帰り、気をつけてね。」

「詠人…バイバイ…。」

「では、詠人様、失礼しました。」

「うん。」

バタンッ


「やっと静かになったか……。」

家の中は1人になり、静寂につつまれた。

「よし、お風呂でも入るか。」

こちらの「ぐだぐだっ☆」は再編集版です。

一日2話分(今回は3話分)を1話にまとめてUPのペースですが、新話は週1度のペースになるかもしれません。


※新作「戦姫と従者と。」(N3740BR)のプロローグ投稿致しました。

お手すきの際にでもぜひ読んでください。

拙い文章ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

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