6、敵
「はぁ~疲れた。松田~遊びに行こうぜ~」
「お前に付き合ったら本屋か古本屋になるから嫌だ!!」
「え~いいじゃんかよ~マンガは俺の命なんだよ」
「じゃあ白峰でも誘えば?」
「今、部活中」
「あぁ、演劇部だっけ」
「今度の役はシンデレラなんだよ!!」
「確か王子役がゲスト出演の学校一のモテ男の2年の石崎誠じゃなかったか?」
「・・・そうなのか?」
「ドーンマイ。これで白峰、取られるんじゃないか?」
「許さん」
俺は演劇部に行った。
何かいやな予感がする。
「君の名は?」
「シンデレラです」
「ではシンデレラ、僕と踊ってくれませんか?」
「はい」
そして2人は踊りだす・・・
「いいなぁ~白峰さん。誠様と踊れて。2人ともお似合いだし」
「代わってほし~」
他の部員が後ろで見ながら言う。
「はい、お2人さん、いいですよ。じゃ、休憩しましょうか」
演劇部顧問の女教師(45歳・彼氏なし)が言う。
「はい」
「分かりました」
「白峰さん」
「はい?えっと石崎君・・・でしたっけ?ゲスト出演ありがとうございます」
「いやいや。君と一緒に出演するためなら」
「え?」
「僕は君の事が好きなんだ」
「はぁ・・・」
「君だって嬉しいだろ?学校一かっこいい僕に好きだと言ってもらえるなんて」
「・・・」
「ほらいつも君の近くにいるえっと・・・そう、水野君。水野君よりもかっこよくて頭も良くて・・・」
「水野君の事をそんなふうに言わないでください!!」
「でも合っているだろ?」
「それはあなたが水野君のことをよく知らないだけです」
「僕は君のことしか見てないからね」
「・・・私、帰ります。気分が悪いです」
「ちょっと待てよ!人が好きだって言ってるのにこの・・・」
石崎が手を振り上げる。
「ちょっと待てよ、石崎!!」
「お前は水野!」
「白峰さんに何しようとしてんだ!?」
「君には関係ないだろ?ぼくはこの女と話してんだよ」
「・・・帰ろう、白峰さん」
「おい、僕はその女が好き・・・」
「お前より俺のほうが一万倍好きだ!!」
「・・・ごめん」
「いやいいんだけどね」
「えっと、あの・・・」
「嬉しかったよ」
「え?」
「私を守ってくれたでしょ?ありがと」
・・・俺にとって今日ほど嬉しい事はないかもしれない。
2人が行った先をボーっと見ている石崎に背後から近づいてくる人物がいた。
「石崎・・・さん?」
「あ、あなたはあすか様」
「あなた、水野様の悪口を言ってらっしゃいましたよね?」
「な、何故それを・・・」
「言いましたわね?」
「え、ちょ、ギャ~~~!!!」
翌日、女子更衣室にロープでグルグル巻きにされた石崎が転がっていたそうです・・・。




