5、私の想い
「・・・てことだったんだよ、白峰さん」
「私にはあすかさんがそんなことする人には見えないけど・・・」
「人は口によらないってよく言うだろ?あれだよ、まさに」
「忠邦、それは人は見かけによらないじゃないのか?」
「そうとも言う」
「と、とにかく確かめるなんて嫌」
「確かめないとまた白峰さんが・・・俺は黙っていられない。白峰さんは友達だしな」
「水野君・・・」
「もしもーし、ラブラブオーラを出さないでくれるか?」
「ちげーよ!俺はただ純粋に・・・」
「顔、赤いけどな」
そんな様子をあすかは校内に付けている監視カメラ(通称・水野様ラブカメラ)で見ていた。
「水野様・・・本当は・・・」
あすかは何かを書き始めた。
放課後、俺は靴箱をぱかっと開け、靴を取り出そうとした。
が、そこには・・・
「手紙?」
しかもピンクのいかにも女子が使いそうなキャラクターが描かれているものだ。
これは・・・あのラブレターー!?
きたー!マンガの法則ー!!
これは、絶対、確実に告白だっ!!
俺はキョロキョロと誰もいないのを確認し、手紙開封。
中には女子っぽい丸い字で
『今日の放課後屋上で』と書いていた。
俺は猛スピードで屋上へと向かった。
屋上のドアを開けるとある1人の女が立っていた。
「・・・九條さん?」
「水野様!!」
「もしかして・・・」
「えぇ。どうしても伝えたい事があって」
ザァァと風が吹き、九條さんの綺麗な黒髪がふわっとなびく。
「・・・私、水野様の事が好きです」
「・・・・・・へっ!?」
「ダメ・・・ですか?」
おい、俺、今告白されてんぞ。マンガの法則様サンキュ!愛してる!!(?)
いやいやよく考えろ。今ここで『YES』と応えた場合どうなるんだろう?
今、真っ先に頭に浮かんだ人は誰だろうか?
あと俺は何を決意した?
やっぱり俺は―――
「ゴメン。九條さんはすっごく綺麗だし、憧れるけど・・・俺には好きな人がいるんだ。まぁ一回振られてる(?)けど」
「・・・やっぱそうですわよね。やっぱり白峰亜紀の事が好きなんですね」
バ、バレバレ!?俺、隠してたつもりだったんだけどな。
「う、うん」
「私、ずっと見てました。あの日、あなたに会ってから・・・って覚えてませんよね」
「覚えてます。確かその日は雨が激しくて、九條さんは傘がなくて困っていた。それで俺が傘を貸してあげた」
「・・・私、すっごく嬉しかったんですよ。小さい頃から九條家の権力にみんな寄ってきて、上辺だけの優しさだったのにあなただけは違う風に見えたから。だからあなたが別の人が好きでも私は諦めません。私は、九條あすかは・・・」
九條さんはにこりと笑って、何かが吹っ切れたような声で言った。
「あなたが好きだから」




