2、入れ替わり?
俺が白峰さんに振られて(?)から1週間が経った。
今日は調理実習で家庭科室にいる。(ちなみにメニューはクッキー)
「はぁ~・・・」
「まだ落ち込んでんのか、忠邦」
「そりゃ初めての告白だったし、マンガの法則では絶対いけると思ったんだけどな・・・」
「じゃあお前、休日何してる?」
「マンガ読んでる」
「・・・何読んだ?」
「『あなたに私は恋して』と『伝説のハリス』」
「何の漫画だよ・・・」
「最初のは少女マンガでもう1つのは少年マンガ」
「あっそう」
そう言いながら松田は黒メガネを出した。まさか・・・
「そのまさかだよ、忠邦」
「うわっまたかよロジック松田」
「君がモテない理由はただ1つ」
「・・・それは?」
「マンガオタク」
「・・・別に趣味は人それぞれだろ?」
「好きなものは?」
「マンガ・・・」
「君の場合好きすぎるんだよ」
「ちょっまつ・・・」
「松田くーん!」女子たちがこっちを見て手を振っている。クッキーの乗った皿を持って。
松田はすっとメガネを外してにこやかに
「行ってくる」
と言って女子の方へ行ってしまった。
あっどうして俺は行かないかって?それは白峰さんが好きだから・・・
「じゃなくてモテないからだろ」
帰ってきた松田がズバッと言う。その組んだ腕の中にはこれでもかというほどの大量のクッキーの袋。
「どうしてなんだ!どうして俺はゼロでお前は・・・いち、にー、さん・・・大量なんだ!?」
「顔がかっこよすぎるから」
確かに松田は学年でも5本の指に入るほどのイケメンだ。じゃあ白峰さんは・・・
「おい、白峰は誰にもあげていないぞ」
「ほんとか!?」
あ~良かった。でもこないだのアレって何だったんだろう・・・?
「キャッ」
「あっ亜紀、大丈夫?」
どうやら白峰さんがこけたようだ。女子が白峰さんの方に集まる。
「・・・うるさい」
えっ?俺の耳がおかしくなったのか?変な幻聴が・・・
「えっ?亜紀、どうしたの?」他の人にも聞こえていたらしい。
「邪魔、どいて。あとあたしは亜紀じゃない」
何だアレ?白峰さんに何が・・・?
「なぁ松田」
「何だ?」
「ロジックモードになってくれ」
「?分かった」
どこからか出した黒メガネをかける。
「で、僕に何を聞きたいんだい?」
「白峰さんが何故ああなったか」
「はぁ~振られたのにまだ好きなんだねぇ」
「悪かったな」
でもあれは振られたというのだろうか・・・?
「実は僕にも分からない」
「えっ!?お前でもか!?」
「ただ推測ならある」
「推測?」
「多分白峰は・・・」
「白峰さ〜ん」
「あっ水野君」
「うわっ」
俺はどこからか出てきたバナナの皮に滑る。
「み、水野君!?」
「ごめん!白峰さん!!」
そして俺は白峰さんの体を押してをこかした。
ごめん、白峰さん。実験なんだ・・・
俺はマンガでありがちな回想を開始した。
「こけたら別の人格になる!?」
「たぶんな」
「どういうことだよ、ロジック松田!!」
「思い出してくれ、さっきに時間の調理実習を」
「・・・こけたな」
「推測だと白峰ともう1人はこけると入れ替わるんじゃないか?」
「そんなこと・・・」
「じゃあ実験だな」
「えっ?」
「いった~ご、ごめん白峰さん」
「ほんと、最悪」
「えっと・・・」
「あぁ~あんた、猫に『好きだ!!』って言ってた変人か」
こ、こいつ、白峰さんじゃない!絶対白峰さんはこんな事は言わないし!!
「お、お前は誰だっ!!」
おぉ~やった俺。一度は言ってみたい台詞ランキング3位のこのセリフが言えたぞ。最悪の状況でだけどな。
「あたしはもう1人の亜紀だ」
「えっ?」
どういうこと?
~裏話~
「ところで松田」
「何だ、忠邦」
「お前、クッキーいくつもらった?」
「30」
「お前なんか友達じゃねぇぇぇ!!!」




