9、バレンタイン戦争(前編)
また長めです。
あの時、俺は少し浮かれていた。なぜかって?そりゃあ好きな人からプレゼントをもらったからだ。誰でも有頂天になる。
「フンフフーン」
「・・・忠邦」
「なんだよ松田?」
「気持ち悪い」
「なんでだよ!!何もやってないけど!?」
「鼻歌が」
「あぁ~それかよ。急に気持ち悪いとか言うからびっくりした」
「・・・あと顔」
「・・・」
「すまん、言い過ぎた。そりゃあ俺と比べたらなぁ・・・」
「何で神様はこんな不公平なんですかぁぁ!?」
顔とか!顔とか!!
「そういえば忠邦、明日が何の日か知ってるか?」
「・・・ふんどしの日?」
「お前それ冗談で言ってる?ていうかなんでそんな日知ってんだ!?」
「じゃあ煮干の日」
「・・・2月14日だぞ?」
「し、知らないなぁ~そんな甘ったるい日」
「しっかり知ってんじゃねぇか。お前は昔から嘘が下手だからな」
「うっ」
そう言うと、松田は黒メガネを出した。
「さて忠邦、この学校のバレンタイン告白率を知っているかな?・・・ってなんでそんな哀れそうな目で見てくるんだい?」
「いや、もうとっくに作者がお前の設定を忘れてると思っていたから・・・」
「作者だって色々あるんだよ。とりあえず、この表を見てくれ」
「お前、表が好きだなぁ」
ロジック松田は少し顔を赤らめて軽く咳をして説明を始めた。
「まず告白率だ。棒グラフで示している」
表の下には体育祭、文化祭などの行事名があり、“バレンタイン”のところにはグラフが紙を突っ切って、別の紙まで続いている。こ、これは・・・!?
「そう。ほとんどがバレンタインに告白している。こっちの表はその成功率だ」
「なっ・・・!?80%だと・・・!?」
「そうだ。ところで何でそんなに機嫌がいいんだ?」
松田は黒メガネをはずし、紙を片付けながら俺に聞いてきた。
「白峰さんにマフラーもらった」
「・・・俺の予想だとまたもらえると思うぞ・・・主に三人から」
「何を?」
「それは自分で考えろ」
「お嬢様・・・」
「何かしら?」
「それ以上お作りになると・・・キッチンが吹っ飛びます」
「このチャンスで白峰亜紀に勝つのよ!ってキャァァ!!また爆発したわ!!」
「ねぇ・・・莉子・・・あんた、何を作ってるの?その生物は何?」
「お母さん、目が悪くなったの?そんなチョコが動くわけないじゃない」
「・・・お仕事多すぎてゴメン」
「何言ってるの?」
後編に続く!!