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「愛する女性が一人でなければならないという決まりはないでしょう?」


 「あらあら、アルヴィン様!」

 「横にいるのは、イル様の婚約者のリイナ姫かしら」

 「アルヴィン様、今日も美男ねえ……」


 街を歩くと、両脇から自然に聞こえるそんな声。

 私達の話をする女性に、きらきらとした笑顔を向けるアルヴィン様。きゃーっと、女性たちから悲鳴のような歓声が上がる。


 「アルヴィン様……凄い人気ですね」


 女性に。最後の言葉は、心の中で言う。

 

 「ええ、王子たる者、国民の支持が無ければならぬでしょう?」


 光でも放ちそうなアルヴィン様の笑顔。

 国民の支持……女性の支持しか受けていないと思うのは、私だけでしょうか?

 

 「あらぁ、アルヴィン様、お久しぶりですね」


 心の中で呟いていると、少し高めの女声が聞こえた。

 振り向くと、アルヴィン様に笑顔を振りまいている若い……18歳くらいの女性の姿。


 「私、今日暇なんです。どうですか?」


 にこにことしている女性に、アルヴィン様は首を横に振った。

 ……え? 首を横に振った? アルヴィン様が? あんなにも女好きのアルヴィン様が?

 事態が信じられず、目を丸くする私。それに構わずアルヴィン様は、


 「すまないが、やめておくよ。私は今、このリイナ姫に夢中だからね」


 女性ににこっと微笑んで、そう言う。

 

 「あら、お兄様であるイル様の婚約者に? 私のことをお捨てになるの?」


 ひどい、口ではそう言っているのに、女性の顔は全然悲しんでいない。寧ろ笑っていて、アルヴィン様のこの台詞に慣れているようだ。


 「捨てるわけじゃないよ。ただ、私はリイナ姫のお心が欲しいんだ。だから……ね? 許してほしい」

 「まあ、許すも何も、私はアルヴィン様の柔らかいところが好きなんですもの。こんなこと、最初から分かってましたし」


 楽しかったです、そう言って、颯爽と去っていく女性。

 アルヴィン様の“女好き”を、“柔らかいところ”と言った彼女は凄いと思う。

 

 「かっこいい……」

 

 だんだん遠くなるその背中を見ながら、私は呟いた。

 でしょう、と、アルヴィン様が隣で言う。

 

 「良い(ひと)です。明るく、美しい」


 そう女性のことを語るアルヴィン様の口調と瞳には、確かな愛しみがある。

 

 「だったら、あの方と結婚なされば良いのに。アルヴィン様には、まだ許嫁はいないのでしょう? 何も私じゃなくても……」

 

 そういった途端、アルヴィン様は目を見開く。


 「そんな。私はリイナ姫に惚れたのですよ。もちろん、彼女も愛しいですが。ただ、愛する女性が一人でなければならないという決まりはないでしょう?」

 

 爽やかな笑顔で、そう語るアルヴィン様。

 本当にこの方は、生粋の女好きだ。













…題名の台詞なんなんだ。アルヴィン、それは浮気です。りっぱな犯罪です。慰謝料取れますよ。


そして、一つ謝罪を。

私の遅筆もあり、予想以上に高校が大変だったこともあり、週一更新が難しいかもです。次回の更新が遅れてしまったら、申し訳ありません。



……宿題多いぜ畜生―――――――――ッ!

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