表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/60

「リイナ姫の婚約者を兄上から私に変更してもらえませんか?」

 


 「ところで父上」


 国王様がひとしきり笑った後、アルヴィン様がそう切り出した。


 「兄上とリイナ姫も含めて―――少し相談があるのですが」


 そう言って、アルヴィン様は私とイル様を見る。

 私を見たとき、笑顔を見せながらウインクをしたのは……見なかったことにしよう。


 「何だ?」


 国王様が、む? とアルヴィン様を見る。


 「アルヴィンのことです。どうせ、町の娘に惚れたから侍女にしても良いかとか、嫁に迎えたいとかそんなところでしょう」


 イル様がそう国王様に言う。

 アルヴィン様の家族内での評価―――というより、イル様とアリス様からの評価はとても低いということが、痛いほど分かった。


 「いいえ、兄上。そんなことではありませんよ。私はそこまで女たらしというわけでは……。兄上は私を軽く見過ぎでは?」


 アルヴィン様は笑いながら、イル様にそう言った。

 待ってください。今ばかりは、イル様に同意です。イル様は、アルヴィン様を軽く見てなどいません。アルヴィン様は、絶対(・・)、史上最強の女たらしだと思います。


 「アルヴィン、私はお前のことを軽く見ているつもりはないんだが……」 

 

 と、イル様。


 「第一に、兄上は堅すぎるのです! もう少し柔らかくなっては? 兄上も娘たちに騒がれていますし、もっと優しくなったら……」


 ……アルヴィン様は柔らかすぎます。寧ろ柔らかすぎて溶けているのでは? と思ったのは、私の心。


 「私には婚約者がいる。娘達に騒がれなくても良い。お前も姫に惚れているというのは口ばかりで、娘の話ばかりじゃないか」


 イル様の、この言葉。婚約者がいるから娘は関係ない、というならば、もう少しその婚約者に優しくしてくれても良いんじゃないだろうか。

 そしてその言葉を聞いた瞬間、


 「私の話とは、そのことなのです」


 アルヴィン様はそう言って、国王様に向き直った。


 「父上。リイナ姫は兄上の婚約者……それは分かっています。しかし、私がそのリイナ姫に惚れてしまったのも事実。……そこで、交渉があるのです」


 アルヴィン様は、にやっと笑った。なんだか……とても、悪い予感。


 「この城に滞在中に、リイナ姫を私に振り向かせることが出来れば……リイナ姫の婚約者を兄上から私に変更してもらえませんか?」














今回、おっそろしく短いですね。←


申し訳ありません。続きは書けているのですが……区切り(?)が良かったので。



ちなみに、今日の話は元旦には書けていました(笑)

元旦からこんなはっちゃけた話を書いていたんだな、私。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ