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辺境の廃塔で水とリンゴだけの生活→気づけば獣人美女が集まり、小さな町に!? 〜異世界スローライフ&街づくり〜  作者: 星海凡夫


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第18章 ~警報の夜~


最初の遠吠えは、真夜中近くに来た。


狼の遠吠えじゃなかった。もっと重く、もっと長い——森の深みから立ち昇り、石を引っ掻く爪みたいに塔の壁に貼りつく音。


心臓を躍らせて目を覚ました。管理ツールは、目を開けるより先に俺の手にあった。リュス・アエテルナの光が窓越しに脈打っていた。前より強い。まるで花も何かを感じたかのように。


廊下でレナと会った。完全に着替え終えていて、片手に短剣、もう一方に予備のナイフ。耳は後ろに張りついていた。尾は動かない。


「三体」と彼女は言った。「たぶん四体」

「追跡者か?」

「そう。今度は真っ直ぐ来た」


アルテアがすぐ後ろに現れた。片手に明るい色の木の杖。怪我した腕はまだ包帯が巻かれていたが、前日にはなかった敏捷さで動いていた。


「塔を見つけたの?」と彼女。

「そうらしい」

「どうやって?」


もう一つの遠吠えが夜を切り裂いた。今度はもっと近い。ずっと近い。


記録が緊急に灯った。


『塔の記録』

緊急警報:外部脅威を検出

数:4体(推定)

種族:獣人(狼系)+訓練された猟犬

距離:第一階層防壁の約100メートル手前

意図:敵対的(追跡および捕獲)

推奨:防御態勢を取ってください


「四体」と訳した。「狼系の獣人と訓練された犬だ。防壁の百メートル手前。意図は敵対的」


レナは歯軋りした。


「プロだ。調教師四人に犬。完全な捕獲小隊。調査しに来たんじゃない。誰かを連れて行きに来た」

「お前を」と俺。

「あるいは私たち全員」

「渡さない」


中庭へ走った。リンゴの樹は中央で輝き、その赤い果実が星明かりの下で煌めいている。門は閉まっていたが、外の空気が震えるのを感じた。足音。息遣い。犬の低い唸り声。


「防壁はもつ?」とアルテア。

「最初の夜の追跡者に対してはもった。でも本気で突破しようとはしなかった」レナを見る。「奴らは何を持ってる?」

「犬は魔法の防壁を抜けられない。でも経験豊富な調教師は穿孔ツールを持ってる。ルーンの槌。エンチャントされた杭。もしそれがあれば……」

「あるよ」とアルテアが遮った。「ヴァルゲルで噂を聞いた。捕獲小隊が穿孔用の資材を調達していた。どこかの廃墟用だと思ってた」

「違う。ここ用だ」


『塔の記録』

脅威レベルの更新:中程度から高程度

敵が第一階層防壁に接近中

推奨:防御機能の最大活用/可能であれば居住者による積極的防衛


配置につけ。管理ツールが俺の手の中で震え、ひとりでに形を変えた——シャベルじゃない、鉤じゃない、新しい何か。もっと太い杖で、先端は平たい。石工のハンマーだ。


「これは何の役立たずだ?」と俺は呟いた。


『塔の記録』

防御用形態:修復槌

機能:簡易防御/修復強化/防壁の一時的補強


「攻撃を受けているあいだに防壁を修理するためのものだ」と訳した。

「なら、あなたは後方で、奴らが壊そうとするものを補強して」とレナ。

「お前たちは?」

「私は門へ。何かが突破したら、斬る」

「私は中庭にいる」とアルテア。「治癒サポートをして、側面を監視する。もしまた西の亀裂を狙うなら……」

「昨日補強した」とレナは思い出させた。「もつはず」

「はず」と俺は繰り返した。「聞きたかった言葉じゃない」


衝撃。


門が震えた。引っ掻きじゃない。直接の打撃だ——鈍く、重く、石を打つハンマーのような。


記録が瞬いた。


『塔の記録』

第一階層防壁への攻撃を検出

ダメージ:軽微(0.3%)

攻撃手段:ルーン槌(低ランク)


「ルーンハンマー」と俺。「軽微なダメージ。防壁はもつが、永遠じゃない」

「どのくらい?」とアルテア。

「言わない。打撃の回数次第だ」


もう一撃。それからもう一撃。打撃はリズミカルだった。調教師たちが交代しているかのように。そのあいだに、犬の声が聞こえた——重い唸り、地面を掻く爪。


「奴ら、急いでいない」とレナは観察した。

「テストしてる」とアルテア。「一番弱い地点を見つけるつもりよ」

「西の亀裂だ」


西の壁へ走った。俺たちが築いた防柵は無事だったが、石は門への打撃のたびに震えていた。記録は第一階層の地図を示していた——防壁は青い線で現れ、ストレスのかかっている場所が点滅している。


「門はもってるが、北西の角に弱点がある」と表示板に目をくぎ付けにしたまま訳した。「あそこは、防壁がもっと薄い」

「なぜ?」とアルテア。

「古い亀裂のせいかもしれない。補修されても、元の構造が弱まったままだ」

「なら、そこを叩く」


俺の考えを読んだかのように、門への打撃が止んだ。沈黙。それから、塔を回る足音。犬たちが嗅ぎ回り、鼻面が壁の土台を擦るのが聞こえた。


「見つける」とレナは呟いた。

「もう見つけた」


北西の壁への最初の打撃は、今までで最も強かった。石が呻いた。土壌保管室の天井から埃が落ちた。管理ツールを握りしめ、衝撃地点まで走った。


『塔の記録』

防壁の弱点を検出:北西角

ダメージ蓄積:1.2%

修復を推奨


「何をすべきか言え」と命じた。


『塔の記録』

修復槌を接触させ、マナを注入してください


ハンマーを壁に当てた。ツールが輝き、青い光が水のように亀裂を満たすように流れ込んだ。震動が弱まった。石は震えをやめた。


「効いたか?」


『塔の記録』

一時的修復成功。防壁強度が回復しました。

注意:連続した攻撃には耐えられません。根本的な修復が必要です。


「一時的だ」と答えた。「続けて叩かれたら、一人じゃもたせられない」


外では、調教師たちが弱点が抵抗しているのに気づいた。互いに何かを唸った——太く、喉の奥から響く声。一人が犬に号令を叫んだ。


そして、別の音。


遠吠えじゃない。ハンマーでもない。


人間の悲鳴だった。


「何?」とアルテア。


廊下の狭い窓の一つに走った。視界は限られていたが、塔の前の空き地の一部が見えた。三つの影——調教師たち、犬をそばに。でも四つ目の影は地面に倒れていた。

そして、その上に、一つの姿。


背が高い。暗い外套に包まれている。右手に、星明かりの下で輝く細い刃。


「誰かが追跡者を攻撃してる」と俺。「塔の者じゃない誰か」


レナは窓越しに目を凝らした。耳が前方へ回った。


「彼女だ」

「彼女って誰だ?」

「女狩人よ。ミリが言ってた」


調教師たちはその姿に振り返った。一人がルーンハンマーを掲げて突進した。姿は流れるような動きで躱した——回避じゃない、舞踏だ。刃が空気を裂き、調教師の腕に命中した。彼は苦痛に吠えた。


犬たちが襲いかかった。二匹同時に、顎を開けて。


姿は回転した。外套が一瞬開いた——俺には明るい髪、ほとんど白いのと、尖った耳が見えた。


「エルフ」とアルテアは呟いた。「ハーフエルフじゃない。純粋なエルフ」


エルフは刃を地面に突き立てた。衝撃点から白い光の波が広がり、犬たちを後ろに弾き飛ばした。一人の調教師が倒れた。もう一人は後退し、怪我した仲間を引きずった。


一分も経たずに、追跡者たちは撤退していた。負傷者たちを樹木限界線まで引きずり、犬たちは背後で跛を引いている。エルフは追わなかった。空き地に立ち尽くしたまま、刃はまだ地面に突き立てられ、暗い外套は夜風に揺れていた。


そして、彼女は塔に向き直った。


俺がいる窓を真っ直ぐに見た。


彼女の目は銀色だった。液体の水銀のように。


『塔の記録』

外部の脅威が後退しました

新たな存在を検出:エルフ(種族:ハイエルフの可能性あり)

意図:不明

武器:長剣/光属性魔法

危険度評価:高い(ただし現在は敵対行動なし)


「四人の追跡者を一人で倒した」と俺は呟いた。「しかも塔は彼女が高リスクだと言ってる」

「高リスクは敵という意味じゃない」とアルテア。「強力だという意味」


外で、エルフは門へ向かって一歩踏み出した。それからもう一歩。何にも止められないと知っているかのような落ち着きで歩いていた。


「どうする?」とレナは短剣を構えたまま訊いた。

「彼女が入りたいと思うか?」と俺は返した。

「襲うつもりなら、もう襲ってる」

「なら……」

「なら、話したいんだ」


門が軺んだ。打撃じゃない。ノックだった。三回。区切って。ほとんど礼儀正しい。


記録が灯った。


『塔の記録』

外部訪問者を検出

種族:ハイエルフ(推定)

意図:対話(推定)

武器:携行中(ただし非戦闘状態)

推奨:注意深い接触


深く息を吸った。


「開ける」

「シン」レナが俺の腕を掴んだ。「彼女が何をしたか見た」

「見た。そして、もし俺たちを殺すつもりなら、扉を叩いたりしなかった」


アルテアは自分の杖に触れた。


「私も行く。彼女たちは治療師を尊重する。古い掟だ」

「掟が通じなかったら?」

「そのときは走る」

「お前たち、安心させるのがめちゃくちゃ下手だ」

「そのために雇われてないから」とレナ。

「雇ってない」

「そういうこと」


彼女は短剣をしまった。完全にではない——手は柄に置かれたまま——でも、仕草は明らかだった。彼女は俺を信じていた。決断が危険だと思っても。


門を開けた。


エルフは三メートルの距離にいた。暗い外套は簡素だが、薄い布地。刃は今や背中に収められていた——意図的な仕草。銀色の目は、首筋がむず痒くなるほどの強さで俺を吟味した。明るい髪は肩まで落ち、簡素なリボンで結わえられている。尖った耳が髪のあいだから突き出していた。


彼女は三十歳以上には見えなかった。でも彼女の何か——姿勢、視線、絶対的な落ち着き——が、数世紀を示唆していた。


「管理者」と彼女は言った。


声は低く、水晶のようだった。そして、俺には識別できない訛りがあった。


「俺を知ってるのか?」

「肩書きを知っている。その職にある男は、私には新しい」

「お前は……?」


彼女は躊躇った。それから、正式な挨拶のような仕草で、軽く首を傾げた。


「私の名はリュサンドラ。追跡者です」


レナは強張った。


「追跡者?」

「違う種類のです」リュサンドラは森を、調教師たちが逃げた方角を見た。「私は無辜を狩る者たちを狩る。あなたの塔を襲った男たちは黒き山氏族の傭兵。逃亡者を連れ戻すために雇われた。できれば生きたまま」

「私」とレナは低い声で言った。

「そうです。あなたです」

「それで、あなたは何が欲しいの? 私も捕まえる?」

「捕まえるつもりなら、傭兵を追い払ったりしません」リュサンドラは一歩前に出た。「何週間も奴らを追っています。あなたのためじゃない。復讐のため。それと情報」

「どんな情報だ?」と俺。

「黒き山氏族は逃亡者以外の何かを探しています。塔を探している。古い塔を。こんな風な。彼らは、そのうちの一つに、この地域の力の均衡を……変えるものが含まれていると信じています」

「何を?」

「知りません。でも見つけるつもりです。そのために、同盟者が必要」


沈黙が広がった。リュス・アエテルナの光が温室の窓越しに脈打ち、中庭に緑の輝きを投げかけている。リュサンドラは花を見た。彼女の銀色の目が、ミリ秒だけ見開かれた。


「リュス・アエテルナがある」と彼女は言った。「多くのことの説明がつく」

「何を説明するんだ?」とアルテア。

「なぜ塔がこんなに早く目覚めているか。なぜマナの流れが変わりつつあるか。そしてなぜ黒き山氏族が必死にこの場所を見つけようとしているか」彼女は間を置いた。「リュス・アエテルナは偶然咲くものじゃない。世界のあいだの境界が薄いときに咲く。何かが来ている。そしてあなたの塔はその中心にいる」


夜の冷えとは無関係の震えを感じた。


「何かが来ている」と俺は繰り返した。

「そうです。そしてそれが来たとき、三人の居住者と繕った防壁だけでは足りない」


レナを見た。それからアルテアを。どちらも警戒を解かなかったが、敵対的にも見えなかった。


「入れ」と俺。「話をしよう」


リュサンドラは門を越えた。


そして門が彼女の背後で閉まると、塔は脈打った——一度、強く——まるで俺に告げているかのように。これが正しいことだと。

あるいは、もっと大きな何かの始まりだと。



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