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Zilken Clark

Characters

クロロ・グテー:元傭兵で星間戦争中は数々の武功を挙げ、戦地前線で名を馳せた。終戦後、莫大な金を求めて惑星ローデの地下アンダーフロアで行われるという殺し合いトーナメントに参加する。


ハンブレット・ライツァー:アンダーフロアの殺し合いトーナメントの前回優勝者。莫大な金は得たが再び参加。その理由は金以外の謎の目的を達成するため。


ジルケン・クラーク:かつて戦争中に傭兵としてクロロと共に戦地へ赴いた。クロロの唯一の友人であり、明るい性格。殺し合いトーナメントへの参加を決めている。

ジルケン・クラークはスタジアムの歓声に武者震いをしていた。


「アハハッ!すごい歓声だな!これはテンションがあがるぜ!」


ジルケンは心の中の恐怖心を抑え込むようにそう言った。すると相手が入場してきた。身長は4mはあるだろうというほどの巨体。実はジルケンは自分の相手を前から知っていた。男の名はガロンド・ブレイザー。青い肌を光らせる筋骨隆々とした体つきでまさに青鬼のような見た目をしている。なぜジルケンは知っているのか。それはレ・シタンと同様、ガロンドの種族ブレイザーもかつて戦時中にジルケンたち保守派を苦しめた存在だからだ。その巨体から繰り出される圧倒的パワーを武器に革命派の主力の一つとなっていた。しかしブレイザーは数が少なかった。よって終戦後に反乱を恐れた保守派によって絶滅させられたがそのリーダーだけは逃げてしまった。そのリーダーこそがガロンドだ。そんな男がいま自分の目の前にいる。ジルケンは自分の力はおろかクロロでも恐らくは勝てないであろうということを理解していた。それでもジルケンは笑って立っている。覚悟を決めたのだ。


「やあガロンド!久しぶりだな!とは言ってもあんたは俺のことを知らないだろうがな。」


「ジルケン・クラーク。俺がお前の名を知らないとでも思ったか?我が一族の者を殺したお前を!俺はブレイザーを殺したすべての者の名を覚えている。これは俺たち一族の弔い合戦だ。覚悟しろ。」


ジルケンのこめかみに冷や汗が流れる。しかしこの男はすでに覚悟を決めてきた。


「さぁ、やろうか!」


開始のアナウンスとともにジルケンが突っ込んで切りかかる。


「オラオラァ!」


ジルケンはガロンドの脚を狙って切りかかった。しかしガロンドは肩に担いでいた大斧を振りかざし防ぐ。


ガキンッ!ガキンッ!


さらにガロンドは斧を振り上げジルケンを吹き飛ばす。


ドゴンッ!


ジルケンはスタジアムの壁に突き刺さるかのように吹き飛ばされた。だがすぐ起き上がった。


「やっぱりとんでもなく強いな。だが俺の力を舐めんじゃねえぞ!!」


今度は高くジャンプしてガロンドの頭を直接狙って切りかかる。しかしガロンドが斧を振り上げただけで防がれた。さらにその着地を狙ってガロンドは振りかぶって斧を叩きつける。


ドゴンンッッッ!!


スタジアム中に音が響いた。ガロンドがゆっくり斧を持ち上げると、そこに元の姿のジルケンはいなかった。ガロンドは勝利を確信し初めて少し笑った。瞬間、ガロンドは背後に嫌な予感を覚えた。振り返ると首元寸前にまで血みどろのジルケンが迫っていた。"チッ!"ガロンドは咄嗟によけたが、わずかにジルケンの剣が首をかすめた。ツーっと2滴の血が垂れる。危ないところだったとガロンドが思っていると地面には倒れたジルケンの姿があった。実は先ほどガロンドが振り落とした斧はジルケンに命中し致命傷を負わせていた。しかしジルケンは最後の気力で死角からすり抜け背後にまわっていたのだった。


「これ以上の必要はないな。」


ガロンドはすでに息をしていないジルケンを見て言った。一族の仇ではあるが死んだ者を汚すことはしない。立場は反対だが同じ戦士として戦争を生き残った者に対するガロンドの最大の敬意の表れだろう。

スタジアムが歓声に包まれる。開始からここまでで約25秒。観客の目には一瞬の試合に写ったがジルケンとガロンドにとってはあまりに濃い時間だった。


トーナメント表からジルケンの名が消えた。鋭い目つきでその表をジッと見つめていたクロロは怒りと哀しみに震えた。





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