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第16話 サハギンの巣

 俺とブリュンヒルデでサハギン達を圧倒すると、彼らは沼地の方の巣へと戻っていくのが見える。俺達の強さに恐れをなしたか。そろそろ四層にいってもいいかもしれない。

 だけど、その前に『サハギンの宝玉』を手に入れないとな。



「マスター。ここは私がやりましょう。神の雷よ!!」



 俺のものよりも何倍も強力な神の雷が沼地の方へと逃げるサハギンを焼き払う。そして、それだけにとどまらず沼地の水を渡ってはるか遠くのサハギンも感電していくのが見えた。



「どうです。マスター。これが本当の神の雷です。すごい威力でしょう? 私がいたほうが頼りになりますよ」

「ああ。だけどさ……これって沼地全体を感電してるよな? 他の冒険者がいたらまずくないか?」

「あっ……」



 どや顔だったブリュンヒルデのマスクの隙間から途端に冷や汗が流れる。そこまでは考えてなかったらしい。

 獲物の横取りはマナー違反だからな。もしも、クレームが来たら、土下座をして謝ろうと思ったが幸いにもほかの冒険者いなかったようである。よかった……



 そして、感電がおちついたのを見極めて、沼地を歩く。水上を歩くのは何とも不思議な感じである。なんだがワクワクしてきた。



『油断をしないでくださいね、マスター』

「ああ、ありがとう。でも、ブリュンヒルデがサハギン達を倒してくれたおかげで安全そうだよ」

『うう……マスターがいじめる』


 

 沼地で感電死してぷかぷかと浮いているサハギン達を指さすと、拗ねた声が帰ってきた。別に皮肉じゃないんだけどな…… 

 ちなみに彼女は水上をあるけないためカードに戻ってもらっているのだ。今の俺なら油断さえしなければサハギンくらいなら、なんとかなるだろう。

 沼地の中心部を歩くと、木の枝などを重ねて作られた洞穴のようなものが見えてきた。おそらくこれがサハギンの巣なのだろう。

 サハギン達は寝るときや傷を癒すときはこういう地上を好むらしいからな。それが魚ではなく半人半魚の生態なのだろう。



「全員寝ていてくれればいいんだが……」



 俺は枝と藻によって所々光が遮断されたサハギンの巣に足を踏み入れる。うっすらと木と藻が絡まった床を歩いていると何匹ものサハギンが横になっているが見えた。

 襲ってくるか!! と警戒をするが微動だにしない。怪訝に思って近寄ると寝息が聞こえる。そうだよな。魚は目を瞑らないもんな。でも、同じ身長くらいの人型の魔物が目を見開いて横になっているのマジできもいな!!

 脳内でそんな事をつっこみながら歩いていくと、荷物置き場だろうか。サハギン達のモリが壁にたてかけられており、獲物として、狩った冒険者達のらしき鎧や、剣などが乱雑に保管されている。



「こいつらって結構綺麗好きなのか?」

『まあ、知能はあるようですし、意外と几帳面なのかもしれませんね』



 そんな事を話しながら進んだ時だった。まばゆい光を放つ塊が見える。これが『サハギンの宝玉』か!!

 足音を立てないように急いで向かっているとその横に一匹のサハギンが横たわっているが見えた。いや、こいつはサハギンじゃない。

 筋肉隆々の四本の腕はなぜか、一本焼き焦がれ、三本になっているが、通常よりも一回り大きい体躯に、煌びやかな虹色の鱗。



「サハギンロードだと……本来は中層にいるはずだろ……なんでこんなところに……」


 俺は想像思わず絶句する。

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