VS悪食1
翌朝、悪食と呼ばれているキメラ型MBの勢力範囲付近までメガロトータスで近づいた。
「ライ、メリナ、ミスティ 作戦通りまずは情報収集からよ」
レオンはコマンダーアーマーに換装し、悪食の勢力範囲内に向けて偵察ドローンを射出
メリナとピンガーはドローンの情報を元に高台からの絶妙な射撃ポイントへ移動し、攻撃を試みる
ミスティとミストは今の所仕事はないがドローンの映像を元に別のプランを考えてもらう
「うわ~よく食べたわ」
「確かにな、あと歩いているというか這いずっているが正解なんだろうな」
ライとミアはドローンからの映像を見た感想だった。悪食は恐竜型やワニ型かと予想していたがある意味ワニ型に似ているMB アリゲーターガー型MBが変貌したキメラ型の正体だと分かった。
「お兄ちゃん、アリゲーターガーとワニってどう違うの?」
「簡単に説明すると爬虫類と魚類の違いだな 口がワニ見たいに長くて歯も鋭いからそんな名前になったらしいぞ」
ライの生物の知識は死んだ父親が考古学者だったのと家には地球に住んでいたらしい生き物の図鑑や本などがあったからで暇があれば読んでいたため知識が身に付いていた
「だから這いずった跡があるのですね 旦那様は博識ですわ」
ドローンは悪食の全体を映像に残しながら、何かによって破壊された。その映像も別のドローンで残しているが
「ドローンが全滅したわ」
「映像は残っているから大丈夫だろ」
破壊された映像を見ると、破壊ではなく捕食だった 悪食の脇腹や背中から生えた食虫植物型MBの仕業だった
「ミア、食虫植物型のMBは存在するのは知っていたけどあんなに大きかったか?」
「本来は何千、何万の食虫植物型MBが群がってようやく、小型MBを倒すことが出来るのよ それに普段は草のように擬態しているわ あれは悪食に捕食されたパーツみたいな物よ」
「動きと形からしてハエトリソウ型だな」
悪食の動きは遅い、それにハエトリソウの攻撃範囲は広い
「お兄ちゃん、射撃ポイントに着いたよ」
「まずはハエトリソウに向けて撃って見てくれ、ドローンが全滅したから映像はないからメリナの目に頼るしかない」
「分かった」
悪食の勢力範囲ギリギリの高台の上でピンガーは悪食を見下ろしている
「ピンガー、いつも通りね」
「ゴロロ」
ピンガーは射撃体勢になり、長距離ライフルをハエトリソウに向けて撃つ、弾丸はハエトリソウの口の中から外へ貫通したが、貫通した穴はすぐに元に戻った
「お兄ちゃん、再生力が半端ないよ」
「メリナ、弾丸を徹甲弾に変更よ」
「うん」
ピンガーの長距離ライフルは1発ずつ装填するタイプのため連射が出来ないが威力はある 弾丸の種類も通常弾から徹甲弾、練習用のペイント弾まで幅があり、メガロトータス内で生産できる
「ピンガー、撃つよ」
「ゴロロ」
徹甲弾はハエトリソウの口の中に入り、貫通はしなかった。そして数十秒後、ハエトリソウの口の中で爆発 ハエトリソウの頭から先はなくなった。
「頭から先がなくなって再生もしないよ」
「メリナ、本体に撃ってみてくれ 確認後1度戻って来てくれ」
「分かった」
メリナはスコープで覗きながら、悪食の目に狙いを定めて、トリガーを引いた。
徹甲弾は真っ直ぐ、悪食の目に向かっていき、見事 目に弾丸が命中、そして爆発した。
メリナは爆発の確認だけをして光学迷彩を使い、メガロトータスまで帰還した。
「ドローンが全滅したのはきついな」
「後で管制室に行って確認しましょう メガロトータスの目で映像を記録しているわ」
メリナとピンガーが戻って来てから、メガロトータスに帰還し、そのまま管制室もといメガロトータスのコックピットへ
「おじいちゃん、目は良いからね〜」
メガロトータスの記録した映像を見たが、最後の目に命中した徹甲弾で悪食の片目は破壊したがそのせいで怒り狂い、暴れながら移動を開始している。
「砂漠の方へ交代しているのは良いわね」
「というと?」
「あれを破壊すると確実に大爆発が起きるわ 砂漠だと周囲に何もないから安全なのよ」
「この辺りは草や木があるから火事にもなるな」
「そういうこと」
俺たちは悪食の跡を追いかけるため、メガロトータスは動きだした。




