噂の真偽
夜襲を受けた次の日の朝、目的地の砂漠手前の都市に着いた、サンバロンという名の都市だそうだ ミスティに教えられた
「俺は傭兵ギルドに行ってくるから後で合流する。」
「はい、分かりましたわ 後で連絡をお願いしますね」
「ライさん、僕たちは食糧の調達に行って来ます。」
「トッド、ナリー、気をつけてな」
けっきょくナリーは出かけることになった。何かあればトッドかナリーから連絡をするように言っている
俺とトッドはトラックで移動、メリナ、ミスティと双子は歩いて移動
ライは傭兵ギルドに到着し、さっそく中に入る どこの傭兵ギルドも同じような場所で昼から酒を飲んでいる人間が多い
「おう、兄ちゃん こんな昼間っからどうしたんだ」
酔っ払いに絡まれた、情報収集出来ればいいんだが
酔っ払いと同じ席に着く
「砂漠を通って帝国に向かいたいんだが、あの噂は本当なのか?」
酔っ払いの顔が急に青くなった
「帝国に向かうのは止めておけ」
背後から別の傭兵に言われた
「お前さんが聞いた噂は本当だ、今も捕食を続けて成長しているキメラ型がいる」
どうやら噂を本当のようだ、王都にいた時から噂は流れていたが
「他に情報はないか?」
「俺たちはやつを『悪食』と呼んでいる 捕食したMBの能力や兵装をそのまま使える。それとこれは俺たちの予想だ、帝国のMBはなぜか捕食されないんだ 帝国側の実験兵器だと予想している。」
帝国のMBは捕食されないのか
「それはいい情報だな」
ライは傭兵ギルドを後にし、トラックに乗り込んだ
「ミア、さっきの話、信ぴょう性はどうだ?」
「高いと思うわ、キメラ型って自然に発生しないのと帝国のMBが捕食されない時点で帝国側が仕掛けているわね」
「そっか、対策を考えておかないとな」
「そうねぇ」
ライはデバイスでメリナに連絡をする
「メリナ、用が済んだからどこに行けばいい?」
「この前、水着を買った通りにいるよ」
「分かった」
トラックを走らせて、メリナが言っていた通りへ向かい、駐車スペースに駐車してから合流しに向かう、ミアはトラックの中でお留守番 近頃、車上荒らしが流行っているための予防策
「おーい、おまたせ」
「早かったのですね」
「お兄ちゃん、お疲れ様」
「「 お父さん 」」
双子と手を繋いで歩き、後ろにはメリナとミスティが微笑みながら歩いている
「平和ねぇ〜」
「平和ですわね〜」
「どこに行く予定だ?」
「私たちと子供たちのお洋服と私たちの下着、あとはお兄ちゃんの服」
「俺の服もか、トッドとナリーのコック着も買うか?」
「お父さん、レオンのお掃除手伝いたい」
「僕はピンガーのお掃除したい」
子供たちはすでにMBに興味を示している 今から将来の心配をしてもな
「つなぎでも買うか」
「結婚って良いものですね」
「まだ、してないでしょ」
「心はすでに新妻で、2児の母ですので」
「グヌヌヌヌ」
何も言えない、双子に慕われているし 私もお姉ちゃんと言われて悪い気はしないし
「お兄ちゃん、ストップ ここよ」
お店の中に入り、服を大量に買う、中にはトッドとナリーの服もあり、大きめの袋10袋分の買い物でミスティが全額払っていた。予想では60万ドルくらいだろう
「トラック、持ってくるからそのまま帰ろう」
「助手席は私ですよね」
「お母さん」
「ずるい」
「持ってくるけど、運転はミスティで助手席に子供たちな 俺は荷台で荷物見てるし」
逃げるようにトラックを取りに向かう
「ミア、おまたせ」
「車上荒らしも出なかったし、平和よ」
「拾いに行きますか」
トラックで先程の店の前に停車し、荷物を荷台に積み、メリナと一緒に荷台に乗り込む
運転はミスティ、助手席に双子、挟まれるようにミアがいる
ここで問題が起きた、ミスティの運転はあまりにも安全運転過ぎて遅い、そして後ろには渋滞ができ始めている
「ミスティと運転、代わるわ」
「それなら私が代わる」
ミスティはトラックを道路の端に寄せて、停車しメリナと運転を交代した。
「う〜すみません」
「安全運転は大事だけど、安全過ぎると迷惑になる時があるからね」
ミスティの頭を撫でておく
メリナに運転が代わるとあっという間にメガロトータスに帰って来た
「トッドたちも帰って来ているな」
「出発どうしますか?」
「あの噂が本当だったから、3人で作戦会議を開かないとな」
その日の夜、子供たちは眠っているため、談話室でキメラ型に対する作戦会議を開くことに
「ミア、作戦はどうする?」
「うーん過去のキメラ型の情報でいいならあるけど、今回のは捕食したMBの能力を得ている時点で過去の情報はあてにならなにゃー」
「ミア、キメラ型はどう作られるのですか?」
「作り方は色々あるけど、今回は捕食能力があるMBをベースにしていると思われるわ」
捕食能力は単純に相手を食べる。能力の一部を一時的にコピーするだけで、捕食能力があるMBは肉食動物に限られているが
「レオンたちも捕食能力があるんじゃないのか」
「ないわよ、あの子たちの能力は自己進化よ 経験を積む程成長するの 捕食みたいなちゃちな能力と一緒にしないで レオンたちのは食事、エネルギーを賄っているの」
「メリナ、帝国の肉食動物って何がいるんだ?」
「恐竜系が多いけど、大型ならティラノサウルスとかかな、小型はこの前戦ったヴェロキラプトルね あとはワニ型かな大から小までいるよ」
けっきょく、現時点での話し合いでは何も解決することはなかった。
明日、出発してから悪食の縄張り付近でコマンダーアーマーのドローンとピンガーの長距離ライフルでのスナイプで情報を集めることにした。




