白のビキニとブラックな店
トラックを走らせながら駐車場を見つけ駐車、駐車料金は少し高めだが仕方がない
「お兄ちゃん、早く」
メリナに手を引かれ、腕に抱きついて歩く これは妹と言うより彼女なんだが
「メリナさん、スキンシップが最近激しくありませんか?」
夜は下着姿でベッドに潜り込んできたりしているし
「お兄ちゃんだからいいの」
「これから、人が増えるから気をつけろよ」
「うん、大丈夫」
色々な服屋を見て歩く、砂漠が近いからか露出が多めの服が目立つ
「お兄ちゃん、ここに入ろう」
メリナに引っ張られて店の中へ、たくさんの水着が売っている。
俺は無難な水着を選ぶのだが
「お兄ちゃん、こっち」
メリナは試着室で水着を着ている、最初に来ているのはピンク色の花柄の可愛いワンピースタイプだ
「メリナは綺麗なんだからその水着は子供っぽく見えるよ」
「次、着替えるね」
怒らせたか?メリナに直接似合わないというのはちょっとな
「お兄ちゃん、これは」
白のビキニだ、引き締った身体に2つの山 銀髪に白は最高に似合う
「メリナ、よく似合うよ」
「ありがとう、次行くね」
我ながら普通の答え過ぎたか?
「お兄ちゃん、これは」
トラックで見せてきたひも水着だ、大事な所はギリギリ隠れているが直ぐにズレそう
「メリナ、夜の仕事でもするのか?」
「お兄ちゃんにならやってもいいよ」
「それはダメだ」
メリナから白のビキニを受け取り、俺の水着と一緒に会計を済ます。
「お兄ちゃん、外で待っていて」
ライは先に店の外に出て、メリナを待つ
「お兄ちゃん、お待たせ」
「あれ買ったのか?」
「ないしょ」
これからどこへ行くのかも考えないとな、砂漠は帝国の方に続いているし、湿原からだと王国と帝国を隔てる山がある。メガロトータスじゃ通れないし、噂の幻想種と呼ばれるMBがいるって話だし、雪原か?防寒対策しないとな
「お兄ちゃん、トッドの様子を見に行かない?」
「そうだな、荒事に向いてなさそうだしな」
「ライ、メリナ、トラックの位置はデバイスで表示されるからすぐに分かるわよ」
運転はメリナがやるというから交代して走りだした。
トッドはというと
「ライさんたちに拾ってもらって良かったな、傭兵っていうからもっと恐い人たちかと思った」
トラックを走らせながら目的地の料理屋へ、トッドたちが孤児院から追い出されてからすぐに働いた場所であり、1年間は頑張ったが劣悪過ぎる環境でトッドは辞める前に辞めさせられた。トッドの心残りはトッドと一緒だった女の子の方だ トッドが辞めさせられてから3日しか経っていない。
トッドは時計を確認してから店が休憩時間になるのを待った。そして時間になりトラックから降りて店へ近づくと、中から喚く男の大声と食器が割れる音
店主の料理の腕は普通以下で何かとすぐに癇癪を起こして暴力を振るう
トッドは急いで店の中へ入った
「ナリー」
店に入ると髪の毛を引っ張られて、服が破れている ナリーは泣いていた。
トッドは頭に血が昇り、店主の男の顔をぶん殴った。ちょうど顎にクリーンヒットし、意識を奪った。
「トッド」
ナリーはトッドに抱きついた。
「ナリー、落ち着いた?」
「うん」
「僕さ、傭兵の人たちに拾われてそこで働くことになったんだ それとナリーのことも頼んだら良いって言われたんだ」
「でも、ここの仕事が」
「ナリー、いつまでもここにいたらダメだ、そのうち殺されるよ 僕たちより前にいた人たちなんて腕の骨を折られた人やうつ病になった人だっている ブラックなんだよここは」
「トッド、私を連れ出して」
トッドは羽織っでいる上着をナリーに着せてから店の外に出て、トラックに乗り込み発進した。
「トッドは移動しているぞ」
「お兄ちゃん、メガロトータスに戻る?」
「トッドのトラックがメガロトータスに行くか確認してからだな」
トッドはメガロトータスに向かったため、ライたちもメガロトータスへ帰還した。
「トッド、そっちの子は?」
「彼女はナリー、僕が言っていた雇って欲しい人です。」
「ナリーちゃんね、怪我してるから治療するね」
メリナはナリーを連れてメディカルルームへ
「トッド、食料は買えなかったんだな」
「はい、あの働いていた店はとてもブラックだったのと他の店との繋がりが太い所なんで誰も助けてくれないんです。」
「なるほどな、ミア」
「何かしら」
「喋る猫!!」
この反応待っていた
「私はミア、子猫型のMBよ」
「MBは知能があると聞きますけど」
「私の開発コンセプトは王の補佐だからね〜」
「ミア、狙撃ポイントを教えてくれ」
「いいけど、やるのはメリナよ」
「あいつは俺の妹だぞ、ナリーから話を聞いて同じ答えにたどり着くぞ」
メリナが帰ってきた。
「ミア、狙撃ポイントを教えて」
「あんた達、兄妹超えて夫婦よ」
「お兄ちゃん、ミアに褒められた」
「「 褒めてない 」」
俺とミアの声がハモった
「トッド、ナリーちゃんはメディカルルームで寝ているから4階だからね」
「わかりました。ありがとうございます。」
トッドは急いでエレベーターに乗って行った
「トッドとナリーちゃんは私とお兄ちゃんみたいな感じかな」
「今は見守ってやる、相談があれば聞くくらいだな、俺たち大人に出来ることは」
「そうだね」
ミアに狙撃ポイントを教えてもらい3ヶ所ある 1番遠い場所からの狙撃を深夜に決行することにした。
メガロトータスは都市から離れて、狙撃ポイント付近で止まり、狙撃後は夜通し移動する予定だ
深夜、決行の時間が来た
「お兄ちゃん、行ってくるよ」
「メリナとピンガーの腕は確かだからな」
崖の上でピンガーは伏せている。
「ピンガー、もう少し右 ありがとう」
「ゴロロ」
「これが終わったら寝れるから大丈夫よ」
「ゴロ〜」
「心配してくれてありがとう 新しい妹のためだからね」
メリナはトリガーを引き、ピンガーから長距離ライフルが発射された、そのまま真っ直ぐ例の店を狙撃し命中した。
メリナとピンガーはメガロトータスへ帰還後、発進した。目的地は決めていないのだが
「メリナ、ピンガー、お疲れ様」
「お兄ちゃん、お姫様抱っこして〜」
「ご褒美だよ」
お姫様抱っこでライの部屋まで運び、いつも通り2人でベッドで寝る
「メリナ」
「何?お兄ちゃん」
「そろそろ売り込もうか」
「そうだね、トゥルーク兄妹のデビューだね」
メガロトータスの行き先は・・・・・