表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

願い

作者: 沙猫対流

……5月6日の日曜に書いた世界一不謹慎なラブレター。


貴方の脳が何ものにも犯されていませんやうに。

夜半に目が醒めた時、肥えた白蛆が貴方の目鼻から、

米粒みたやうにぼろぼろこぼれるのを見ませんやうに。


貴方の身体が虹色に彩られていませんやうに。

がつしりした革の上着の襟元、ジインズのほつれ目から、

緑や黄色・紫の腐肉が見え隠れしませんやうに。


貴方の名前で便りが出ないで済みますやうに。

薄紫の葉書に描かれた白百合の花が、

私たちにさいごのお別れを伝えにきませんやうに。


貴方の御身が朽ち果てる運命を避けられないとして、

それが長い事雨に当たりすぎた所為としませう。

そんなら世界中の雨雲を私の上にください――


貴方の髪がいつまでも月夜の闇であるやうに。

濡れ羽色の闇に浮かぶ三日月のキユーテイクルには、

雨のしずくも落ちない、冷たい斑雪も降らないでせう。


そこで貴方と二人、月の皿で蜂蜜入りミルクを飲む。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ