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焔の力

焔は軽い睡眠をしていた。

記憶を失い、目を覚ますと見た事のない場所で気を失っていた。

雷剛とゆう旅人に助けてもらい。

村に案内してくれると言う。


雷剛「おい、焔。そろそろ起きろ」

焔「うーん……雷剛さん?」

雷剛「おう、ちょっとは楽になったか?」

焔「はい、かなり楽になりました」


焔は自分の体を見てみる。

うん、怪我はないみたいだ。

改めてじっくり雷剛さんを見てみると

30代後半だろうか?そんな風に見えた。

背中には斧だろうか?なんとも大きな斧の背負っていた。

そして左の腰に刀。武士なのか?と思った。


雷剛「お前、めずらしい格好してるな」

焔「格好?」


自分の着ている服を見る。

確かに。なんだろう、この服装は。

袖が手首まであり履き物も足首まである

淡い水色の服。


雷剛「まだ何も思い出せないか?」

焔「全く……」

雷剛「そうか、まぁ村に行けば何か分かるかもしれないからな」


そう言って雷剛は焚き火を消し、向かう準備を始める。

そう言えば、俺は何か持っていないのだろうか?

履き物の両端に袋を見つけた。

手を入れて見ても何もない。

やっぱり、手かがりは全く無し……か。


雷剛「よし、行こうか。しかしお前、その格好じゃ怪しまれるだろうからこの服を着ておきな」


雷剛に服を手渡された。

何1つ汚れてない真新しい服。

赤と黒で作られた服は焔の体に丁度だった。


雷剛「おぉ、似合うじゃねぇか。貰った服なんだが大きさが合わねぇからどうしようか迷ってたんだ」

焔「ありがとうございます」

雷剛「よし、じゃあ行くか」


雷剛は足を進め始めた。

焔は見失わないように雷剛の後ろを歩く。

周りを見渡すもやっぱり見た事のない風景だ。

空には雲1つない青空、風が心地良いくらいにそよそよと吹いている。


焔「雷剛さん、村ってどの辺にあるんですか?」

雷剛「あの山の向こうだ」

焔「山って……あの山ですか!?」


雷剛が指を指した山をみると、なんとも巨大な山だった。

こんな山を越えるのか!?俺は死なないだろか……

急に不安な気持ちになった。


雷剛「なぁに、近道があるから大丈夫だよ」

焔「よかった」


二人で歩を進めていると、焔は不思議な感覚を感じた。

なんだ?この気持ち悪い嫌な感じ。

その嫌な感じはだんだんと近付いてくる、誰かに追われているのか?辺りを見渡すも人影はない。

一体、この嫌な感じは………


雷剛「焔、どうした?」

焔「なんか、嫌な感じが近付いているんでる」

雷剛「嫌な感じ?なんだそりゃ」


嫌な感じが間近まで迫って来たその瞬間。

近くの茂みからガサガサ!っと何かが飛び出してきた。


雷剛「まずい!焔避けろ!」

焔「な、なんだ!?」


間一髪避けられた。

そして、焔の目に映ったのは今までに見た事もない生き物だった。


焔「雷剛さん!あれは一体なんなんですか!?」

雷剛「あれは妖怪だ、まさかこんな所にまで出てくるようになりやがったか」


そう言うと雷剛は背中に手を伸ばし斧を手にする。


焔「雷剛さん!何をする気ですか!?」

雷剛「妖怪を倒すのさ」


そう言って雷剛は妖怪に立ち向かっていった。

初めて過ぎる光景で頭が混乱していた。

一体何が起きた?あれはなんなんだ?

犬のような体で恐ろしい顔と牙、そして爪………


雷剛「おさらばだ!」


ズドン!!っと降り下ろされた斧は避けきれなかった妖怪の体を二つに切り裂いた。


焔「うわ!!」


何か血のような物が出るのかと思って目を瞑ったが

何もなく、灰のようにサラサラと消えた。


雷剛「怪我はないか?焔」

焔「は、はい………なんとか」


雷剛が出す手に捕まろうとした瞬間。

今度はさっき以上に不気味な物を感じた。


焔「また、また不気味な感じが」

雷剛「なに!?」


辺りを見渡す雷剛。


雷剛「しまった!」


妖怪が周りを囲んでいた。

簡単にすると、囲まれた。


雷剛はまた構える。

雷剛さんは戦っているのに俺は何も出来ない。

ただ怯えるだけだ。なにか、何かしたい。

そう思い焔は立ち上がった。


焔「雷剛さん、俺にも戦わせてください!」

雷剛「しかし、お前。まだ体が……」

焔「何も記憶が戻らないまま死ぬのは嫌だ!」


雷剛は驚いた顔をしていた。

自分でも驚いた。まさかこんな事を言うなんて。

でも、ずっと怯えている訳にはいかない。

ただ前に進みたい。そう思ったから立ち上がった。


雷剛「この刀を使え。ただし戦い方は実践で学べ」

焔「百も承知だ」


そして、雷剛と焔は妖怪に立ち向かった。


雷剛・焔「うぉぉおお!!」


雷剛は次々に妖怪を倒していく。強い。

焔は戦うもまともに倒せていない。

攻撃を避けるのに精一杯だった。

上手く戦えない。その時、足を滑らせてしまった。


焔「しまった!」


早く立たないと、殺られる。

妖怪は待ってくれない。

襲いかかってきて逃げられない。

終わった。こんな所で……

その瞬間。妖怪がフッ………と止まった。

あれ?妖怪が動かない。雷剛は!?

雷剛さえも止まっている。時が止まったみたいだ。


焔「な、何が起きたんだ!?」


すると、どこからともなく声が聞こえた。


???「汝に問う。お前は何者だ?」

焔「な、どこから声が!?俺は焔。あんたは誰なんだ?」

出雲「私の名前は出雲。お前が手にしている刀に宿る英雄だ」

焔「英雄?」

出雲「お前は……いや、まさか……な。しかし、お前………面白い力を持っているな」

焔「力?俺に力なんて」


力なんてあるはずがない。妖怪一体さえ倒す事ができないのに。

雷剛さんの足を引っ張ってばかり。


出雲「ほう、力が欲しいか?」

焔「欲しい。足手まといにならないくらいの力が」

出雲「足手まとい?」

焔「雷剛さんの足を引っ張って。自分は怯えるしかできなくて。何一つ、まともに出来ない」

出雲「うむ、お前はまだ真の力を使いこなせていないようだな」

焔「真の、力?」

出雲「いいだろう、私の力をくれてやる。お前の事を気に入った。お前の中に眠る力、呼び覚ましてやろう」

焔「な、なんだ!?なにをした!?」


出雲が呼び覚ましてやろうと言った瞬間。

自分の体にみるみる力が溢れて来るのがわかった。

今なら何でもできるきがする。

この力なら、できる。


出雲「お前に私の記憶を見せてやる、戦いの記憶を。そして目覚めさせろ、己の力を」

焔「あ……あ。こ、これは…」

出雲「この刀、お前なら使いこなせよう。ではさらばだ、もう一人の英雄よ」


そして声は消えた。時も動き始めた。

雷剛は変わらず妖怪を蹴散らす。

一匹の妖怪が焔に襲いかかる。それに気付く雷剛は

焔を助けようと走る。


雷剛「焔!!なにボサッとして………」


シュッ!!っと刀を振り下ろす焔の姿を目にした。


雷剛「お、お前……」


妖怪は切り裂かれていた。ただ、一匹だけではなかった。

振り下ろされた刀で妖怪が切り裂かれた瞬間、凄まじい風が妖怪と地面もろとも吹き飛ばしていたのだ。


焔「お待たせ雷剛さん、もう大丈夫だ。」


焔は刀を鞘にしまい立ち上がる。

雷剛がみたのは、焔の勇ましい目。

さっきまで怯えていた姿とはまるで別人の用に変わっていた。


焔「さぁ、雷剛さん。反撃といきましょうか」

雷剛「ふん、言われなくても」


取り囲む妖怪を前に二人は構える。

妖怪は全員で襲いかかる。

そして、雷剛が立ち向かうよりも早く


刀を抜こうとする焔の姿があった

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