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第四十四話 『げきとう、新エネルギー研究所の(たたか)い』

 山奥に造られた秘密の研究所は、悪の組織の襲撃を受ける。研究所に駆け付けた正義の戦隊は、待ち構えていた悪の組織の罠にかけられ、ピンチに陥る。危うし、討伐戦隊バスターレンジャー。だが、バスターレッドの新しい武器が友の窮地を救う!

 

『ぐうっ‥!!』

 弾けるような衝撃に、私は後ろに飛び退りながらダメージを逃がす。今回の戦闘から投入された米軍の新兵装の威力はすさまじく、我々は劣勢を強いられていた。

「はっはっはぁ、どうだ見たか、正義の力を!」

 赤いコスチュームをまとった変態‥もとい米軍製PS『トライバスター』をまとった米軍側戦闘員リーダー、バスターレッドは、試作兵装、回転打撃式手甲インパクト・ガントレットを掲げ、調子づく。

 当初、バスターレンジャーの中でも、比較的戦闘に不慣れなバスターピンクを相手に、私は互角の勝負を繰り広げていたが、急造コンビであるLとMがバスターレッドの新兵装の前に倒れ、敵の増援を受けることとなった。

「おいおいピンクちゃんよぉ、相手は一人だぜぇ、俺の見せ場を残しといたのかぁ?」

「うっさいわね、こんな奴私だけで十分よ、あんたはあっち行けば」

「ああ、行ってやるさ、こいつを倒したらな」

 テレビ放映時に台詞は吹き替えられるが、戦隊チームのチームワークはばらばらだ。薬物強化の副作用で精神が高揚しているのか、それとも単に仲が悪いだけかは知らないが、いずれにせよ、性能で勝る二人のPS装着者に追い詰められ、後がなかった。

「おら、沈め、バスター・スレッジハンマー!」

 筋力で一・六倍、スピードで一・四倍、反応速度で約二倍の性能差があり、その上バスターピンクに退路を断たれている状態では、例え必殺技を叫びながらの馬鹿げたパンチであっても、受け止めざるを得ない。

『うぐぅっ!!』

 突き抜けるような衝撃に、意識が飛びそうになる。十字受け(クロスアームブロック)で受けたにもかかわらず、その破壊力は異常だった。背後ではバスターピンクが待ち構えており、後ろに跳ぶわけにもいかず、ノックアウト級のダメージが身体の中を駆け巡る。

 闇の中に意識が持っていかれようとする寸前、心配そうな表情を浮かべるイリーヤの顔が頭をよぎった。

 ‥そうだ、私はこんな所で倒れるわけにはいかない!

『‥おぉ、うおおぉぉー!!』

 気合の声をあげ、私はなんとか踏ん張った。そして敵の腕をつかむと、その身体をバスターピンクに向かって投げ飛ばす。思わぬ反撃に虚をつかれたのか、バスターレッドは仲間を巻き込みながら無様にぶっ倒れた。マスク越しで表情はわからないが、さぞや驚いただろう。

「何だ、この戦闘員、強いぞ!?」

 慌てふためきながらも立ちあがったバスターレッドに向かって、ビシッと指を差す。そして身体中に走る痛みに倒れそうになりながらも、私は吠えた。

『てめえらとは背負ってるもんが違うんだよ、負けてたまるかぁ!』

「キキキキ、キッキー!」

 残念ながら私の魂の叫びは、音声変換機(ボイス・チェンジャー)に変換され、外部へは奇声しか流れ出ない。音声で個人を識別できる現代においては、然るべき防護措置と言えるが、時々やりきれない気持ちが残る。まぁ、いい。私の目的は彼等に勝つことではない。仲間を守り、良い評価を出し、そして私自身の未来を勝ち取るために戦うのだ。

『さぁ、行くぞ!』

「キ、キー」

 力強い一歩を踏み出し、私は敵に向かって走り出した。今日はまるで負ける気がしない。



 こうして新たな人生をつかむため、戦闘員達の戦い(モニター)は続く。だが、未来の為に、頑張れ戦闘員J、負けるな戦闘員J、愛するイリーヤの為に、戦え、戦闘員J!

残念ながら戦隊ものには全く興味ないんですが、ちょっと面白そうなので書いてみました。続きは時間があれば書くかもしれません。

nameless権兵衛 権藤直紀

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