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気ままに。  作者: 咲坂 美織
神狼編
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双子の狼

新キャラ登場です。とはいってもほとんどしゃべりませんww


そして師匠が大暴れします♪ やっぱり強いです、師匠は。

「師匠、どうしますか?」

「どうするも何も、やるしかないでしょう。ちょっと面倒だけど。あんたたち二人で4人潰しなさい。後は私がやるわ」

「大丈夫ですかぁ?」

「……なめてんの、黒いの?」

 いちいちムカつく黒いのは放っておいて、狼たちの背後をとるため、気配を殺しながら移動を始める。幸い私のほうは能力のおかげで敵を見失うことはない。

「さて、誰から潰そうかしら?」

 今は誰もいなくて空き家となっている建物の影に隠れて、敵が近づくのを待つ。しばらくすると、一匹近づいてくる。あいつからでいいか。

「――――――!?」

 不意を突いて敵の口を塞ぎつつ、影に引っ張り込んで鳩尾に手刀を叩き込む。声もなく沈んでくれた。しかも周りは気がつかなかったらしい。

 周りをこっそりうかがってみると、あっちもちょうど一匹沈めたところなのか、リアが親指を立ててウィンクしてきた。……いちいち可愛いなぁ、もう。

 そのまま続けて2人ほど沈める。このあたりで相手も異変に気がついたらしい。

 だがもう遅い!!

 今までいた場所を離れ、敵に気がつかれないようにリアたちのもとへ行く。口の動きだけで伝える。

「(リーダー沈めてくるから、後頼む)」

「(了解です)」

 ……いつか役立つだろうと思ってこの訓練させておいてよかったわ。あの時は単なる遊びだったのに。

 私が元の場所に戻ってあいつらに合図すると、二人は同時に別方向から飛び出す。それぞれ一番近くにいた相手を掴み、投げる。そしてそのまま4人まとめて乱戦へ持ち込む。

 ……我が弟子ながら良い腕してるな、こいつら。

 私のほうもただ見とれているだけではなく、行動を開始する。リアたちに気を取られているリーダー格の奴の背後へ回る。

 さすがリーダー、私が背後に回った時点で気がついて振り向いた。……だから、もう遅いんだって。

「セッ!」

 気合いともに回し蹴りを放つ。……あ、掴まれた。でも、

「甘い!」

 掴まれた脚を軸に体をひねり、全体重を乗せた回し蹴り。……蹴るのっていいよね。スッキリ☆

 私の渾身の一撃を防ぎきれるはずもなく、側頭部にクリーンヒットする。そのまま崩れるリーダー格。大したことないわね!!

「師匠! 終わりましたか?」

「今終わったところよ。そっちは?」

「それが……」

 振り向くと、そこには困った顔をしたリアと黒いのが居た。そして、そのやや下に視線を向けると、

「どうしましょう、この子たち」

 一目で狼族のそれと分かる犬耳を頭に乗せた男の子と女の子が正座していた。しょんぼりと項垂れている様を見ると、つい抱きしめてしまいたくなる。

「……これだから貴女は」

 黒いのの声で気がついた。私は狼族の二人をまとめて抱きしめていた。だって、可愛いんだもん!!

「あんたたち、名前は?」

「……フィア」

「……フィイ」

「……双子?」

 同時にこくりとうなずく双子。女の子のほうがフィアで、男の子のほうがフィイね。

「あんたたち、狼族よね」

 こくり。

「もしかして親いない?」

 こくり。

「私たちと行きたい?」

 こくり。

 よし、連れていこう!

 フィアとフィイの手を掴んで立ち上がる。そのまま進もうとして、リアと黒いのに止められた。

「なんでよぉ。いいじゃない。この子たちもう戦う気なさそうだし、可愛いし」

「可愛いの関係ありませんから! 狼族の子を連れていくなんて、正気ですか!?」

「なぁに、リア、嫉妬ぉ? 今まで可愛い系は自分だけだったから、かまってもらえなくなると思ったんでしょー。大丈夫よ。ちゃーんとかまってあげるから♪」

「違いますって!! それと誰が可愛い系ですか!? かまってほしいなんて一言も言ってません!」

「いや、リアは無言でかまってと言っているようなものですからねぇ」

「ミカゲさんまで!? 誰か僕の味方はいないんですか!?」

 うわー! と叫び声をあげているリアも双子と一緒に懐に抱え込むと、じっと見つめる。

「……そんなに見つめても、僕はその中に入りませんから」

「冷たい」

「どうとでも言ってください」

 一人離れたところで拗ねている黒いの(拗ねてない! byミカゲ)は放っておいて、腕の中の三人を力いっぱい抱きしめる。

「ムグゥ、し、師匠、苦しい、です」

 腕の中からリアのうめき声が聞こえた。どうやら力を入れすぎてしまったらしい。よく見ると双子も顔を真っ赤にして息苦しそうだった。

「うわぁ、ごめんごめん」

 手を離したとたん、ゼェハァと荒い息をつく三人。……お、双子の表情が少し柔らかくなった。落ちついてきたのかな。

「やっと解放されて安堵しているんですよ。いくら狼族とは言え、子供を殺すつもりですか、貴女は。自分の力の大きさをしっかり理解してください」

「うう、ごめんさい」

 黒いのに怒られた。でも悪いのは私なのできちんと謝る。双子ちゃん、ごめんね。リアも。

「だいたい、貴女は今ちょっとテンション上がりすぎです。落ちついてください」

 ……しょうがないよ、それは。だって双子ちゃんが可愛すぎるんだもん。

双子ちゃん、次回からは緊張も解けたのか、ちゃんと喋ります♪

ついでに襲撃者たちの謎も明らかになるかと。

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