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気ままに。  作者: 咲坂 美織
神狼編
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怪しい集落

 今回も師匠は素晴らしい脚力を見せてくれています。番外編もちょくちょくアップしていきます♪

 リアと合流したところから歩いて(走って! byミカゲ&リア)3時間ほどのところに、一つの集落があった。人(ネコ?)の気配はなく、荒れた形跡もない。

「っしゃ! 取り放題♪」

「いやいやいや、待ってください師匠! それは悪役のセリフですから!」

「えー、いいじゃない。誰もいないし。私に拾われて使われるほうが道具も喜ぶわよ」

「どういう理屈ですか!? そもそも変だと思いませんか? こんなにきれいに残っているのに誰もいないなんて」

「それもそうですね。普通は人が一人もいなくなるのは襲われた時か、災害の時ですからね。どちらにしてもこれはきれいすぎますねぇ」

「むぅ、あんたたち優秀すぎよ。誰から教わったの、そんなこと」

「「立派な反面教師がいましたから」」

「……それって、私?」

 二人がほぼ同時にため息をつき、私に背を向けた。何よ、鍛えたのは私じゃない!

「リアの言うとおり、これはちょっと怪しすぎます。流行り病の可能性もありますし、下手したら入った瞬間苦しむ羽目になりますよ」

 それは怖い。というわけで私はおとなしく二人の意見を聞くことにした。うん、私偉い。

 そんなことを考えていると、ミカゲにすごく冷たい目で見られた。あいつ、私の心が読めるのか!?

「……貴女の表情は分かりやすすぎます」

「え、そうですか? 僕には全然分かりませんけど」

「…………(鈍い師弟め!!)」

 ミカゲがさっきよりも深くため息をついている。まぁ、それは今に始まったわけじゃないから放っておいてもいいか。

 これじゃ誰が保護者か分からない、なんて聞き捨てならないことをぶつぶつ言っているミカゲを何とか無視(私偉い!)して、集落から少し距離をとりながらリアに聞いてみる。

「リア、何か聞こえるか?」

「いえ、特に何も。生きているものがいる音はしません」

 私たちそれぞれのネコ族には特殊な力を持つ子供がたまに生まれる。リアもその一人で、彼は異常な聴力を持つ。ちなみに私とミカゲ、トーマも持っていて、私は視力、ミカゲは嗅覚、トーマは石や植物、ようするに自然界にあるものから記憶を読み取る。ま、意識して使わないと普通の奴らと同じなんだが。

「そうだな、私が"見て"も動くものはない」

「いえ、何かいますよ。何か、……血の匂い?」

「何で疑問形!? 血の匂いなんてお前一発で分かるだろ!」

「だから普通の匂いじゃないんですよ。たぶんここにいるのはネコじゃない」

 ほんの少し、ミカゲの顔が引き締まる。珍しく緊張でもしてるのか? ……それにしてもネコじゃないものか。森の中にこうやって集落を作るのはネコの一族しかいない。狼はそもそも大人数で生活するのを嫌うから集落を作るとは思えない。

「もともと住んでいた一族が何かに襲われたのか、それともその前に気がついて逃げ出したのか……。後者だといいな」

「そうですね。僕もここに住んでた人が無事だったらいいなと思います」

「どうします? 毒とかウイルスとかがいるような匂いはしませんし、入ってみますか?」

 ミカゲが少し悪戯っぽい顔をしながら見上げてくる。これは私を試している顔だな。私の度胸、見せてやろうじゃないの。

「なら入ってみようか。ここ突っ切ったほうが次の村近いし」

 私の眼にはこの集落をまっすぐ突っ切った先に村があるのがはっきりと見えていた。

「ちょっと怖くないですか? 迂回しましょうよ……」

「お、怖がりだね、リア。かーわいい♪」

「! からかわないでください、師匠!」

 顔を赤くして拗ねているリアを笑いながら集落の中へと一歩踏み出した。後にミカゲ、リアと続く。……数時間後、私たちはリアの意見を聞かなかったことを後悔することになる。

補足

 トーマ君の特殊能力、~記憶を読み取る力~

1.木や花、石に触れる。

2.意識を集中して知りたい記憶を探す。

3.記憶を覗かせてもらう。

例)リアがこの石に座って花占いをしていた。「師匠は帰ってくる、帰ってこない、……帰ってこない!?」リア号泣。

4.可哀想な弟弟子を慰める。

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