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第九話 「真実は・・・」
静かな沈黙が辺りを浸した。
僕は、その空気が耐えきれなくなり、乾いた笑いと共に冗談を言った。
「じゃぁ、祭事が継続されなくなって、
各地で起こっている異常気象はその影響なのかな?」
「そうでしょうね。
彼女の祈りが成就されているのかもしれません、
呪いを今まで封じ込めていた呪が薄れ表に出てきているのかもしれません」
そう呟くと、僕と彼女のカップも自分の物と一緒にお盆に乗せかたづけ始めた。
「では、今日はこの辺で失礼いたします。
明日も、何時もの時間にお食事の用意をいたします」
戸口でそう一言、言い
僕達を少し冷えた空気が流れる部屋に置いて消えていった。
彼女に目をやると、真っ青な顔色をしていた。
最近、彼女の体調が思わしくないのだ。
そして、その日を境に彼女の体調は益々悪くなっていった。
僕達の心の想いが重なり合うほど、想いが深くなるほど、
比例するがごとく彼女は体調が悪くなり、生気が無くなっていった。
― 続く ―