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第四話 「役目」
「神託」
「しんたく?」
「うん、神子の役目が出来ないの
宗教って言う奴じゃなくて、祭事での役目になるのかな・・・」
「何か、偉く難し事を話すんじゃないんだろうな?」
僕は思わず不味い物に関わったと思った。
宗教関係者は、純粋な分、質が悪いのが本当の処だ。
「私の家は、神社なの・・・
でね、家の神社はあるお姫様を慰める為に建てられ祭事を行なうの
でも、私はその祭事をする巫女の役目が出来ない。
言葉も作法も動作も全て分かってるし出来るんだけど・・・・出来ない、
結局、最後の祭事の時、式の途中に倒れて祭事を滅茶滅茶にしちゃって・・・
あれは、してはいけない祭事なの・・・・心の中の何かが私にそう告げるの、
パパとママにそう言ったら家を追い出されちゃった」
彼女は、そう言いなが寂しそうに笑った。
僕は、慰めの言葉も思いつかないままに黙って頷いた。
「なぁ、あるお姫様を慰めるって怨霊とかになったのか?」
僕の台詞を聞いた途端、彼女は吹き出し笑いながらその昔話を話してくれた。
― 続く ―