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第六章 新たな未来へ
数年後。
セリーナは王太子との婚約を解消し、自らの意思で魔法研究の道を選んだ。
王宮の反対を押し切り、異例の女性魔導師として認められる。
私は彼女の研究を支える『補佐官』として影で動いた。
情報収集、策略の回避、人脈の構築。
子供のフリをしながら運命の歯車を少しずつ変えていく。
そして、ある日。
セリーナが私に言った。
「エドワード、貴方は本当に不思議な子ね。前世の記憶の話は聞いたけれど……まるで私の未来を知っているみたいだわ」
私は微笑む。
「お姉様の未来はお姉様が決めるものだよ。僕はただ隣にいるだけ」