【第39話】破壊か、修繕か ― 決戦の始まり
侵入作戦が開始された。魔力要塞の中枢に迫る匠たち。
戦闘が激化する中でも、彼の目は――“現場”を見ていた。
破壊か、修繕か。ゲンバカントクの答えが問われる!
「ゲンバカントク、後方拠点、完成しました!」
「配管班、仮設の水路も通ったぞ!」
「ドラゴン部隊、上空警戒完了!」
崩れかけた通路、魔力の波が不規則に襲いかかる空間――
そんな過酷な要塞の内部で、匠は仲間たちとともに“仮設拠点”を築いていた。
「ここは“戦場”じゃない。俺にとっては、“現場”なんだよ」
仲間が命を預ける場所に、妥協はない。
魔力の揺れに合わせて、壁の支保工を配置。
突発的な爆発にも耐えられるよう、鉄骨と魔力遮断シートを複合化。
「通気が足りないな。小型ポンプで強制換気を!」
「床がぬかるんでます! 滑り止めのゴムシート、敷きますか?」
「いや、そこは再利用した足場板を並べて。水も逃がせる構造にしてくれ」
次々と飛ぶ指示。
その中には、鍛冶屋の男もいれば、元盗賊の解体職人、さらには裁縫師の女性もいた。
「おかしいだろ? みんな建築のプロでもねぇのに、なんでここまで動けるんだよ……」
桐谷が言うと、匠は笑って答えた。
「現場は、肩書きで動いてねぇ。
“手を貸したい”って気持ちがあれば、それでいい。
――現場は、いつだってチームで動くんだ」
そんな中、藤村が警戒線から戻ってくる。
「匠さん、北側の回廊、崩壊が始まってます!」
「了解。なら、あのルートは使えない。……別のルートで支援班を回そう」
匠はすかさず図面を書き直し、仮設ルートを再構築。
「鉄板敷きで、構造を仮固定。杭打ちは……バックホウで補助だ!」
「わかりました、重機搬入、始めます!」
その瞬間、要塞の中心部が赤く光り――
奥から、巨大な魔力の奔流が押し寄せてきた。
「くるぞ……!」
だが、誰も逃げない。
そこにあるのは、信じられる指揮官と、仲間の力を信じる“現場”の空気。
匠は腰道具からトランシーバー風の通信石を握ると、静かに言った。
「全員、安全第一で――“ご安全に”」
次回予告
ついに魔力要塞の中枢へ!
だがそこには、かつての“現場所長”が待ち受けていた。
ゲンバカントクVS現場の裏切者――宿命の対決が始まる!
建築コラム
【仮設拠点】
災害現場や緊急工事で設けられる簡易拠点。物資集積、医療、安全確保など多目的に機能。
【支保工】
崩れそうな場所を支える仮設の構造材。掘削工事や解体工事で活用される。
【再利用材の活用】
現場では“あるもので工夫する”のが基本。足場板や仮設材の応用力が問われる。
今回は“戦場=現場”というテーマで、仲間との協力と建築魂を描きました。
匠の“現場監督としての誇り”が、最大限に発揮される回でしたね!
次回はいよいよ、因縁の対決――現場所長との直接対峙です!
登場予定:型枠パネル展開、重機を使った防御陣地、破壊と修繕のせめぎ合い!




