【第19話】モンスター遺跡の再生プロジェクト】
次回は、遺跡再生に不可欠な“上下水道”整備編!
匠が導く異世界初の“インフラ施工”が始まる!
「この遺跡を……観光地に?」
領主から出された依頼は、信じがたいものだった。
「元は魔物の巣だったが、討伐も済み、今では廃墟だ。
ただ、歴史的価値があるらしくてな。観光資源にしたい」
現地に赴いた匠が見たのは、崩れかけた石造アーチ、風化した階段、苔むした広場。
だがどれも、目を引く造形と重厚な意匠を持っていた。
「これは……ロマネスク様式っぽいな。アーチは連続構造か……保存の価値はある」
匠はすぐに調査班を組織。
異世界の測量士、石工、村人、商会の青年まで巻き込み、保存と整備を同時に進める。
「このアーチ、今にも崩れそうだが……補強金物と樹脂モルタルで固定できる」
「入り口は? 崩れて通れないんじゃ……」
「入口は別に開ける。誘導動線を新設して、安全ルートを確保だ」
石段は補修し、手すりを取り付け。崖地には足場板を敷いて転落防止措置を施す。
「この部分に、見晴らし台を作ろう。周囲の景色が一望できる観光ポイントになる」
「観光ポイントって……匠、すげえな……考えるスケールが違う……!」
村人たちが感嘆する中、匠は地下へと降りていく。
古い石階段を下った先、封鎖された区画で、ひとつの奇妙な爪痕を見つけた。
(……これは)
壁一面に走る、巨大な“ひっかき傷”。
幅は大人の腕ほど、深さは数十センチに達する。
「こんなの……人間の手じゃない」
一緒にいた商会の青年が震える。
「まさか……ドラゴンの痕跡か?」
「可能性はある。しかも、最近のものかもしれない。石の風化が浅い」
この遺跡、かつては魔物の巣だったどころか、ドラゴンの“根城”だったのでは――?
(なら、再びこの地が狙われる可能性もある)
匠はそっと壁に触れ、現場監督の目でこう呟いた。
「記録しておこう。この傷跡は、まだ生きてる建築だ」
遺跡の再生は無事に終わり、周辺には土産屋や食事処も建設予定。
だがその裏で、ドラゴンの存在が再び影を落とし始めていた。
今回は、遺跡の再生を通じて“建築による地域活性化”を描きました!
世界観も少しずつ広げていきます。




