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王子の護衛と同レベルで良いのかお前

「グルルルルォオオオオオオッッ──ギャンッ!?」


「うるさ、耳イカれそう」


到着するなり襲い掛かってきたデカめの犬を魔法で殺しつつ、状況把握。


《現在、魔物は合計で大型が二体、中型が十六体、小型が九十二体。大型は遺跡の入り口で様子見をしています。暴れ回られたら被害が広がるので、早々に片付けるのがよろしいかと。中型は王子付きの騎士が相手しているようです。小型は村を荒らし回っていますね。あ、今村人が一人死にました。また、魔物の氾濫初期にドラゴンが吐いたブレスにより、家屋に火の手が回ってます》


を、神にさせる。


「じゃ、まずは消火だな」


人命救助は心象が良い。率先してやるべきだ。


次は大型。恐怖のシンボルを壊すのも印象的だろう。【気配遮断】と【透明化】、【奇襲必殺】を使って一撃で仕留める。


小型は魔法で適当に殲滅しとこう。村人は一応巻き込まないように気を付けないとな。


「何だあの子供…!?化け物か!?」


村人に気付かれて指を差されたが…そういや俺まだガキだったな。ガキ一人が旅してるって不自然か?


マァ、そういう部族出身ってことにすればいっか。


《確かに物心付いた途端、子供を着の身着のままで放り出し、力が付いてから帰郷させる部族はありますけど…慎重かと思ったら変なとこで行き当たりばったりですねぇ…》


実際あるなら良いや。


んじゃ、最後はお前オススメの第一王子のとこ行くか。


《いえオススメと言うと少し語弊が…!》


騎士が押されてるところに加勢する。魔法でも良いが、ぶん殴った方が分かりやすいか。


「よいしょー」


「ギャオオオオオオオオッッ──オォォ…」


「な、…は、」


王子が呆けるのは分かるが、護衛が手を止めるのは不味いんじゃねぇの?マァ、ここらの魔物は全部殺したから安全ではあるが。


《あなたが一番の危険ですよ》


何か言ったか?


《いえ何も》


やっぱ最近ナメてきてるよなコイツ…


マァ締めるのは後にしよう。さて、肝心の王子に怪我とかは…なさげだな。


一応声掛けとくか。


「大丈夫ですか?」


「どうしてもっと早く助けなかったんだ!この僕を誰だと思っている!?第一王子のエイジャー・ラビンであるぞ!無知な平民めっ!!」


オイ。


《ヒィイイイ!!ごめんなさいごめんなさい!違うんです、その人は序盤はヤなやつだけど一度好感度が上がると一途になるタイプでして!初対面とのギャップで落ちるやつですぅ!!》


俺が落ちてどうすんだよ。


《おっしゃる通りで…》


で、コイツはチョロいのか?


《ご覧の通りの性格なので、優しくされるのに弱いです》


良し。


「知らないな、お前がだれかなんて」


「き、貴様っ!なんと無礼な!!」


「それより、けがはないのか?」


「え…?」


「けがだよ、けが。マァ、そんなさわげてるなら大丈夫そうだな」


《私が何も言ってないのにへりくだらない選択肢を取る辺り、相手のしてほしいことを見分けるの得意なんですねぇ》


そうだな、お前が"身分と関係なく"優しくされるのに弱いって言うのを怠っても分かった。


な?


《ひぃっ!!威圧するの止めてください!!》


止めてほしいならそれなりの態度を取るんだな。


《パワハラですよぅ…》


神が人にハラスメントされてて恥ずかしくないのか?


《だってあなた怖いじゃないですかぁ!!》


そういう風に接してるからな。


「大丈夫そうなら、おれもう行くわ」


「なっ、ま、待てっ!」


「どうした?」


「いや、その…」


「お待ちください!殿下を助けてくださった方をただで帰すわけにはいきません!どうかお礼をさせてください!」


もだもだする王子に代わって、護衛が引き留めてくる。


「でんか…あぁ、王子さま?じゃあお礼はさっきの不敬ちょうけしってことで」


「え、それは…」


「き、貴様を城に招待する!」


「殿下!?」


今度は護衛が慌てる番だった。急に叫ぶな。


「身元の知れぬ者を城に入れるわけには…!」


「恩人を招いて何が悪い。オイ、貴様出身は?」


さっきの部族の情報。


《マラニテという土地に住まうネティロ族です》


「マラニテ」


「ほら、身元が知れたぞ」


「そういうことではありません!」


護衛さんも大変だなぁ。


《めちゃくちゃ他人事ですね》


俺は大変じゃないからな。


《そういうとこですよ》


うるせぇ。


「ええい!とにかく僕が決めたから良いんだ!この者は城へ連れていく!良いな!?」


「…はっ」


《あなたも大変ですね…》


護衛さんにシンパシー感じるな。

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