《捨て子スタートでこんな淡々と物事を進めることあります…?》
次に意識が浮上したとき、俺は森の中にいた。
神、状況説明。
…神?
《はいはいはいはいぃ!!!!すみません別の作業してて!!!!!》
次一回で答えなかったら、分かってるよな?
《ごめんなさい!!!!》
じゃ、説明。
《簡潔に言うと、あなたは捨てられました》
ふーん。
《反応薄…。えっと、実はあなたが産まれたのは王家だったんですが、その神を産んだ側室と、正室との間で血みどろのあれそれが起こりまして…結果として、その…はい》
お前のせいってこと?
《え、いや、その、だって、あなたが神になることを望んだから…》
俺が悪いって?
《あぅ…。い、いやでも!天罰を恐れて正室派も森に捨て置くのみにしたようですし…》
へぇ、じゃ、その正室派とやらに天罰下しといてよ。
《ええ!??私がですか!?!??》
他に誰がいるんだよ。
《いや、ダメですよぅ!神がそんな人に関わるのは…!》
今関わりまくってんじゃん。今さらだろ?
《え…あ、》
お願い、本当は俺が自分で殺しに行きたいけど、俺まだ赤ちゃんだからさ。な?頼むよ。
《…?》
…ア、間違えた。コイツに色仕掛けても意味ねぇや。
《あの、》
今の忘れろ。ついでに天罰やってこい、ほら早く。
《は、はいぃ…!》
これで良し。
《あの、やりましたよぅ…》
あ?
《ひっ、だから!終わりましたって!》
マジで?早いんだな。
《権能の及ぶ範囲なら天罰なんて一瞬ですよ》
ふーん、便利じゃん。
《ありがとうございます…?》
褒めてない。
《ぅ、はい…。というか、その、そういえば、今あなたの心を読んでいますが、これは大丈夫ですよね…?》
自ら墓穴を掘るのが得意なんだな。
《ヒッ!》
バーカ、必要なことにまで目くじら立てるほど俺も鬼じゃねぇよ。
《ぇあ、あ、良かった…》
そう考えると赤子って不便だな。この状態でもできることってある?
《えと、魔力を伸ばす訓練くらいなら…》
魔法はダメなのか?
《魔法そのものは事故が起きたとき回避もできないので止めておいた方が良いかと》
ん、OK。じゃあ魔力の伸ばし方教えろ。
《はい…!》