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コミュニケーションの初手は脅迫


「オイここどこだテメェ殺されたくなきゃ知ってること全部吐け」


「ヒィイイイイイイ!!!?!!?」


目が覚めたら知らない空間だったので、とりあえず痴女みたいな格好してるヤツを詰めた。


「何ですかなんなんですか!!!!??何で真っ先にやることが脅迫なんですか!!!?頭おかしいんですか!!?」


「失礼なヤツだな。誰の頭がおかしいって?」


「あなたですよあなた!!神である私の胸ぐらを掴んでいるあなた!!!!」


「神?頭イカれてんのか?」


「ち、ちちち違います!本当に!私は神なんです!」


こんな頼りないのが神?神の信仰者にに怒られるだろ。


「『こんな頼りないのが神?』と心の中で思いましたね?今、あなたの心を読めたことが、私が神である証左です」


「いきなり呼びつけて心を読む?プライバシーの侵害だぞテメェ、誠意はないのか?」


「あっ、す、すみません!止めます!」


「じゃ、俺が今思ったことを当ててみろ」


「え、あっ!?お、『お腹空いたな~』…とか?」


「不正解」


「力を使わずに当てるなんて無理ですよぅ!!」


マァ、何も思い浮かべてなかったわけだが。


とりあえずは心を読まれてないと考えて良いか。もしこれが演技ならむしろ、このまま気持ち良くだまされたいな。


「で?ここどこ」


「あっ、えっと、ここは神域です。そして、あなたは死にました」


「ハ?」


「ひっ!ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!でも説明が進まないので突っ掛からないでください!!!!」


チッ、しゃーねぇな。


「…えと、話を続けますね?あなたの死因は、時空の狭間に飲み込まれてしまったことです。その、時空の狭間はめったに現れる物ではないのですが…私の担当する世界で勇者を召喚するってなって…そのとき世界を繋げて…ちょっと…えっと…」


ごにょごにょともだつく自称神。早よ言え。


「要するに!私のミスであなたを殺してしまいました!!!本当に申し訳ありません!!!!」


「ハァ?????????」


「お怒りはごもっともです!!!ですので、お詫びとして私の世界へ転生とこのカタログの中から特典を二つお選びください!!!」


ハ?


「ナメてんのか?」


「え?」


「ナメてんのかって聞いてんだよ」


「え、いや、そんなことは…」


「人殺しておいてもう一回人生歩ませてやればチャラだろって?ハァやだやだ、神ってのは人間を見下してるんだ!」


「ちが、」


「ア゛????」


「ヒッ!」


あ、コイツちょろいな。このままいけるわ。ったく、ダメだろー?弱いとこ見せちゃ。


「特典寄越せ」


「あ、はい!どれにしますか?」


「まだ選ばせる気でいんのか?全部だよ、そのカタログにあるやつ全部」


「…え!?いや、これほどの力を人の身に移すのは不可能です!!器が壊れてしまいます!!」


「壊れない器に生まれ変わらせてくれたら良いだろ?」


「これで壊れないなんて神くらいしかいませんよぅ!!」


「じゃ、神にするのもセットで」


「ひぃええ!!!!」


「あとお前も付いてきて」


「えっ!?いやいやいやいや!それこそ!それこそ無理です!!!私は世界を任されている神です!!それを放って一人の人間に付きっきりになることなど…!!」


「へぇ、その責任ある立場でミスって一人の人間殺したのは誰だっけ?」


「あぅ…えと、業務の合間にアドバイスをするくらいなら…」


「合間?俺を片手間で済ます気か?」


「ずっと見てます助言を求められたらすぐ連絡します!!!!!!」


「よろしい」


こんなもんかな。


「転生って準備とかいる?」


「あぁー、通常はいりませんが、あなたの場合人から神を産む必要があるので、神に連なる血筋の母体の選定が…」


「じゃ、アルバム貸してよ。待ってる間読んでるから」


「はい、分かりました…」


その後、準備が完了したとかで俺の魂を送り始めた。「良い異世界転生ライフを」と祝福されたのが気持ち悪くて、「脅してきた相手の幸運を祈るのか?」と返したら、「定型文ですよぅ」と情けない声で言われた。


定型文ができるほどミスってんのか、あの邪神…


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