第4話 魔物
「ふぅ、疲れた…」
そう言いながら、俺は部屋の掃除を終えた。
その時、外から大きな声が聞こえた。
「きゃー!」
何があったのか、俺は少し気になったので、外に出てみた。
「魔物よー!」
俺の目の前には、人間の3倍くらいの大きさの魔物がいた。
町の人々は次々に避難していった。
「俺も早く逃げなきゃ」
そう言って、俺は山の方へ走った。
「いや待てよ、俺の超能力でなんとかできるんじゃないのか」
俺は、自分に超能力があることをすっかり忘れていた。
「まってろよ、魔物」
俺は、魔物の近くまで瞬間移動した。
「魔物を海底にでも瞬間移動させれば、町に被害を及ぼさずに済む」
パッ。
魔物が一瞬にして町から消えた。
魔物が海底に瞬間移動したことは、千里眼で確認できた。
千里眼はどんなに遠くのものを一瞬にして見ることができる能力。
「これは便利だ。千里眼はいろいろなところで使えるかもな」
俺は町の人たちが避難している山の方へと瞬間移動した。
その近くには、前に会ったテナーがいた。
そして、テナーがこっちを向いた。
「大丈夫でしたか、ケンさん」
「うん」
「それは良かったです」
「うん…」
俺はブラック企業に勤めていたので、現実世界では「恋」というものをする暇がなかったので、まったく慣れていない。
なので、どのような返事をすればいいのか分からなかった。
「では、私は仕事があるのでこれで」
「あ、はい」
そう言って、テナーは帰っていった。
「魔物がいなくなったみたいだぞー」
「どこに行ったんだ?」
「一瞬で消えたみたいだ」
「どうなってやがんだ」
周りから色々な人たちの声が聞こえる。
「おまいさんがやったんだろう」
話しかけてきたのは、老人だった。
「まあ、はい。そう言えば、お名前を聞いていませんでした」
「ああ、失礼。わしの名前は、鹿崎 太郎だ」
「私は神宮寺 健っていいます」
「おまいさんの能力はすごいな」
「あ、ありがとうございます」
「実はわしは前世があってな。前世は新聞記者だったんじゃ」
「あなたにも前世があるんですね」
「ああ、おまいさんにも前世があるのか」
「はい、私はブラック企業に勤めていました」
「そうか、大変じゃったのう、ここらへんの人たちもみんな、前世があるのじゃよ」
「そうなんですね」
俺は、正直驚いた。
まさか、この町の人たちも転生してきただなんて。
「あなたは能力はあるんですか」
「ああ、ただ全然使えん能力じゃ」
「なるほど」
町の人たちも何かしらの能力を持っているのか、俺は少し気になった。




